マンションへGO!シリーズ (47)そして、今

2009年7月。
転居して2年が過ぎ、マンションで迎える3度目の夏がやってきた。

最初の頃は、新しい生活への喜びよりも、本当にこれでよかったのか、という不安の方が大きかった。
父と私の今後のためを思って決断したことだけれど、何も今でなくてもよいのでは、というためらいは、転居後も波のように襲ってきた。

その波がある程度治まり、「ここが自分の家なんだ」と実感するようになったのは、引っ越し後1年ほど経ってからだっただろうか。

3年目を迎えたマンションライフ、なかなか快適である。

「管理人さんの仕事は、ほとんどが掃除やで」
知人からそう聞かされていた通り、まさに1日中、管理人さんは巡回を兼ねてあちこち掃除して下さっている。
私の悩みの種だったゴミ当番の仕事も、今は管理人さんの仕事。
管理費を支払っているから当然なのだが、ありがたいなあってつくづく思う。

回収日前日からゴミを出せるのも、マンションならでは。
だけど私は、未だに前日からゴミを出すのに抵抗がある。
ゴミをあさられたらどうする、火事でも起こったらどうする、と、つい思ってしまう。

家の中に階段がない楽な生活にも、すっかり慣れた。
当初の予想通り、運動不足に拍車がかかってはいるけれど。

年間通じて部屋の中が非常に過ごしやすいというのも、うれしい誤算だった。

まず、夏。
7階というやや上層階を選んでしまったので、夏は非常に暑いんじゃないかと覚悟していた。しかし、南側ベランダの幅が比較的広く、かつ夏の間の太陽の位置が高いため、ベランダに面するリビングに直射日光が入らない。
最上階ではないことも大きいだろうが、戸建ての頃より暑さが格段に楽。

逆に冬は、太陽の位置が低くなるため、リビングに日差しが差し込んでくる。
角部屋ではないこと、機密性が優れていることもあり、真冬でも部屋の温度が10度を切ることがない。極度に寒い日はエアコンを入れるが、少し着込めば暖房器具が不要の日も珍しくない。
戸建て生活での必需品だったガスファンヒーターは、全く使わなくなったので、ネットオークションで売却してしまった。

風通しも抜群なので、季候のいい時期は、窓を開けていると、家の中を風が通り抜けていく。
それが、ものすごく気持ちがいい。

水の勢いが弱いというのも、発見だった。湯船のお湯を流す時も、一気には流れない。
よその家の排水音が抑えられているのはこのおかげなのだが、最初は物足りなかった。

今のところは、住人の生活を脅かすような大きな問題も発生しておらず、マンション内は平穏である。
だけど、約束事を守れない、守らない人は、どこへ行っても必ずいるのだなということは、実感している。

そして何より、マンション暮らしするようになってからは、目に見えない手かせ足かせが取れたような気がした。本当に自分の足で歩き、楽に呼吸ができている感じがする。

この土地で接する人は、今の私の姿がスタート。小さい頃の私と比較したり、両親の生き方を私に投影したりということは、全くない。
住む場所を変えるだけで、こんなに気持ちが楽になるなんて、思いもしなかった。
戸建てでの生活は、私にかなりのプレッシャーを与えていたんだな。

悲しくてつらい想定外のできごと。
それは、父が亡くなってしまったこと。

私は、父はまだまだ長生きするものだと思い込んでいた。
父と私の今後のことを考えての移住だったのに、2年も経たずに逝ってしまうなんて。

悲しみにくれながら、マンションへの移住を後悔した時期もあった。
だけど、戸建て生活では到底かなわなかった、家で一緒にご飯を食べることが実現できたので、あまり気に病まないでおこうと、今は思っている。
「マンションの方が安心や」と、何度も父は言ってくれていたし。

「マンションへGO!」計画立案から、もう既に3年以上。
笑ったり、泣いたり、悩んだり、本当にいろいろなことがあったが、順調すぎるほど順調に希望するマンションに移住でき、無事に生活できているのは、私の周りのたくさんの人が、陰に日向に助けてくれたから。

私の大きな選択を支えてくれた皆さん、心からありがとう。

(「マンションへGO!」シリーズ 了)






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マンションへGO!シリーズ (46)それからのこと

2007年4月。
新しい土地での生活が、本格的にスタートした。

仕事の合間に箱を開梱し、少しずつ荷物を片付けていく。
市役所へ行って転入手続きも済ませ、親戚、友人、仕事関係の方にも転居を通知。
銀行など、関係各方面への連絡先変更通知も、順々に進めていった。

引っ越しして一番戸惑ったのが、ドアノブの位置。
玄関、トイレ、各部屋のドアノブが、それまで住んでいた家とは反対側に付いていたのだ。引き戸の開け方も反対。

何でもないことのようだが、体にしみついた動きを急に変えるというのは、結構疲れるものである。
完全に慣れるまで、しばらく時間がかかった。

だけど、部屋の中に階段がなくなり、生活動線は大きく変化した。掃除も格段に楽になった。
と同時に、生活習慣として組み込まれていた階段の上り下りがなくなった分、このままだと確実に運動不足になるな、ということも実感した。

あと、マンションが建っている場所が、意外と僻地だったことも、引っ越ししてから実感したことのひとつ。

新聞の折り込みチラシも、市内中心部より、隣市の店舗のチラシが大量に入ってくる。生活に慣れるにつれ、マンションからバイクを5分ほど走らせると、隣の市に突入してしまうことも、少しずつわかってきた。
管轄の新聞販売店の住所も、隣市だった。

蛇足だけど、ここの担当販売店、チラシを入れるのがすごく下手。同じチラシが数枚入っているなんて、ざら。配達漏れも多いし。
前の販売店は、そんなことは滅多になかったのに。

買い物事情も大きく変わった。

それまで住んでいた最寄り駅の商店街は、とにかく賑やか。
コンビニも本屋もファストフードもコーヒーショップも、ドラッグストアも総菜屋も弁当屋も、ラーメン屋もお好み焼き屋も牛丼屋も、パン屋もケーキ屋も和菓子屋も、駅前に全部揃っていた。小さいけれど、スーパーもあった。

だが、引っ越した先の商店は、一様に商売っ気がない。というか、活気がまるでない。
駅前にスーパーがある影響なのか、かつては商店が入っていたと思われるテナントも、空きが目立つ。私が転居してきてからも、いくつか店を閉めてしまった。
切磋琢磨できるようなライバルがいないせいか、スーパーを含め、全体的に物の値段が高い。気軽に外食できる店も、ほとんどない。

結局、もともと「スーパーフェチ」な私、自転車やバイクであちこちのスーパーに出かけるようになった。
しかし何より、おいしいケーキと和菓子が、駅前で気軽に調達できなくなったのは、かなり痛い。

美容院選びも困った。

盛んにチラシを入れてくるのは、やはり隣市の美容院。近所にも美容院は数店舗あるのだが、勧誘チラシが入ったことは皆無。
私が商売人なら、新規客をゲットするために、すぐポスティングに行くけどなあ。
駅前はマンションだらけなので、既存客で食べていけるんだろうな。

荷物を完全に片付け終わったのは、引っ越ししてから数週間経った頃。
4月の終わり頃、やっと父にマンションを見てもらうことができた。

「このまま(車椅子のまま)、部屋に入ってええんか?」と言って、ちょっと遠慮がちにしてはいたが、それでもたいそう喜んでくれた。前の戸建てとは違い、自分の目で全ての部屋を見て、移動できるというのがうれしかったようだ。
仏壇の置いてある和室を、「わしはあそこで寝るんか?」と、勝手に自分の部屋にしてしまったのには、笑ってしまった。

施設のスタッフにも自慢していたようで、「『遊びに来いや』って言われました」と教えてくれるスタッフもいた。

父の暮らす施設まで、バイクで5分ほどの距離になり、通うのも楽になった。
また、それまでより父とゆっくり過ごせるようにもなった。
戸建てにひとりで住む私を、父はとても心配していたようで、マンションに移ってからは「前の家より、安心や」と何度も言っていた。

少しずつ、少しずつ、新しい場所での時間が刻まれていった。






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マンションへGO!シリーズ (45)さよなら、ふるさと

2007年3月31日 土曜日。
戸建てを買い主さんに引き渡す日が、とうとうやってきた。

不動産屋さんが鍵を取りに来られるのは、午後3時。
引っ越し時に簡単に掃除をしたものの、部屋の中はホコリだらけなので、それまでに気合いを入れた最後の掃除をしたかった。

午前中にマンションを出て、駅に向かう。
まだ何となく違和感があるけれど、これからはこの駅が、最寄り駅になるんだ。

3駅ほど先の戸建ての家の最寄り駅で電車を降り、駅前のコンビニで弁当とお茶を買い、2日前に荷物が運び出された戸建てに戻った。
雨戸を開けて明るくなった部屋は、がらんとしていた。

それからお昼を挟んで数時間、掃除機をかけ、モップで床を拭き、家中をくるくると動き回った。
掃除の後、家の中はもちろん、外観もデジカメで撮影する。

午後にはガス会社の方が来られ、ガス栓の閉栓が行われた。

附帯設備の取扱説明書や私が作った引き継ぎ資料は、リビングのテレビ台の上に、まとめて置いておいた。

掃除が終わり、再び雨戸を閉め、電気を消し、掃除用具などの荷物をバイクに積み込み、玄関でぼんやりと時間を過ごす。

ほんとに、もう、最後なんだ。
物心ついた頃からこの場所で暮らして40年。とうとうこの日が来たんだ。

「遅れてすみません」と言いながら、担当営業マンのはつさんが走って来られたのは、約束の時間から15分ほど過ぎた頃だった。
はつさんから売買物件引渡完了確認書を受け取り、施錠後に家の鍵を全てお渡しした。
はつさんは、「ありがとうございました」と最後に一礼し、立ち去られた。

私もバイクを門の外に出し、もう一度家を見上げた。

考えてみればこの家とこの土地は、とても寂しい年月を送っていたと思う。
住んでいた親子3人は、とうとう最後まで「家族」になれなかった。
建て替える前の家は、楽しいことより、つらいことの方がたくさん詰め込まれた家だった。

老朽化のために家を建て替えてから、8年。
何もかもが過去になり、風が入れ替わり、新しい買い主さんが見つかった。

それでもこの場所は、施設で暮らす父、亡き母、そして私の親子3人にとって、かけがえのない場所。
思い出がたくさん詰まった、大切なふるさとだった。

長い間、ありがとう。長い間、お世話になりました。

この家とこの土地に、明るい笑顔と確かな希望が与えられますように。
この家とこの土地に、住まう人の家族団らんが与えられますように。
この家とこの土地が、今度こそしあわせになりますように。

心からそう願いつつ、私は住み慣れた「ふるさと」を後にした。






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マンションへGO!シリーズ (44)はじめての朝

2007年3月30日 金曜日。
マンションで目覚める、はじめての朝。

それまで見慣れていた部屋の様子とは違うので、妙な違和感があるような、ないような。
疲れが取れたような、取れていないような。

引っ越し前にお願いしておいた新聞も、以前お世話になった販売店から、今回からお世話になる販売店への連絡がきちんとされていたようで、ちゃんとこの日から投函が始まったので、安心。

ぼーっとしながら朝ご飯を食べようと支度していると、マンションの下から音がする。
ベランダからのぞくと、ゴミ回収車だった。

マンションが動き始めたんだなって、実感する。

それにしても、この市の回収車は賑やかだ。
自己紹介からはじまり、ゴミは透明袋に入れないと回収しないとか、不燃物や缶やビンはこう出せとか、古新聞はできれば地域の自治会とかで回収してもらえとか、回収作業の邪魔になるから路駐をするなとか、注意事項がずっとエンドレスでアナウンスされている。

それまで住んでいた市の回収車がしゃべるのは、自己紹介と何の種別のゴミを回収しに来たかというアナウンスくらい。

それからしばらくすると、ケーブルテレビの会社の人がやってきた。
マンションにはケーブルテレビを見るための設備がある。サービスの一環として、ケーブルテレビ会社が放映している番組が映るよう、チャンネル調整を無料で行ってくれるとのことで、この日を予約しておいたのだ。

箱で埋め尽くされたリビングでのチャンネル調整自体は、ものの数分で終了。
その後は、チャンネル調整の時間をはるかにオーバーする営業活動。

私がスカパー!を導入したことは、営業マンにはすぐわかる。
だけど何とかケーブルテレビにしないかと、熱心に声を掛けられた。安いコースも新設されたから、と。

でもその「安いコース」でも、アナログのスカパー!より高いし。
ケーブルでは、見たい番組を自由に選べないし。
一時期導入を考えたケーブルフォンも、このマンションでは使えないし。

気が変わったら電話下さい、と名刺を置いて、営業マンは帰って行かれた。

その後は、パソコンで引っ越し通知を作成して、親戚や友人に発送。
荷物の片付けも徐々に開始。

翌日は、いよいよ戸建ての引渡日。
午後3時頃に不動産屋さんが鍵を受け取りに来られるということだったので、午前中に最後の掃除に向かうべく、準備をする。

物心ついた頃から住み続けた家とのお別れの日まで、いよいよあと1日。








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マンションへGO!シリーズ (43)お引っ越し

2007年3月29日 午後。
予定通り、引っ越し屋さんがやってきた。

メンバー数人が、手分けして荷物の運び出しにとりかかる。


引っ越し


彼らは汗をかきながら、家中を走り、荷物をどんどんトラックに運び込む。
リビングとキッチンは2階なので、冷蔵庫やソファ類はベランダからの運び出し。ベッドにいたっては3階の窓からである。

くるくるっと布で荷物を包み、

引っ越し


引っ越し


ロープなどを使って段取りよく下まで静かにおろしていく。
その仕事ぶりは、まさにプロだった。

荷物が運び出されたあとは、ホコリだらけ。
何もすることがない私は、掃除機であちこち掃除して回る。

この日と戸建て最後の日のために調達した、充電式掃除機。




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2時間ほどで、全ての荷物がトラックに積み込まれ、一旦戸建てを後にする。
マンションまでは30分ほどで到着。

部屋中を養生した後、すぐさまマンションへの荷物運び込み開始。
いの一番に仏壇を和室に運んでもらい、位牌を収める。

積み込み時と同様、引っ越し屋さんは汗をかきかき、トラックと部屋の間を往復してくれた。
部屋の中は瞬く間に、箱でいっぱいになった。

本は段ボールに入れず、手持ちの透明ケースに入れていた。
そのケースを運んできた人が、玄関でこう言っていた。

「あ、パタリロや。パタリロや!」

彼はえらくうれしそうに、私を見て笑っていた。
文庫タイプ40冊ほど、パタリロがぎっしり入ってたから、印象的だったんだろう。ちょっと恥ずかしかった。

日が暮れかかる頃、荷物の運び込みが全て完了。

引っ越し屋さんのサービスの一環で、洗濯機の据え付け無料工事の人が、その後やってきた。
私が持参したホースでは長さが足りないことが判明、その方に近所のホームセンターまでホースを買いに行ってもらうことに。えらくご面倒をかけてしまった。

取る物もとりあえず、パソコンと電話のセッティング。
そして、新居での初風呂。

それまではあってあたりまえだった、トイレと風呂の窓。角部屋ではないので、新居には両方とも窓がない。
外が感じられないお風呂に、なんだかふと、さびしくなった。

部屋中とっちらかった状態だったが、お風呂の後、すぐベッドに入る。
窓を閉めていても、外を走る車の音が、ずっと聞こえている。

買い主さんが「ここは静かですね」と何度も言っていた理由が、やっとわかった。

音が気になったのと、気持ちの高ぶりで、疲れているのになかなか寝付けなかった。
それでもいつしか、眠りに落ちていった。

マンションでの初めての夜は、こうしてふけていった。









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マンションへGO!シリーズ (42)思い出にさよなら

2007年3月28日 水曜日。
引っ越しの日まで、あと1日。戸建て引渡の日まで、あと3日。

午前中、ケーブルテレビのセットトップボックスの回収が行われた。
ブラウン管テレビを発送する時に、テレビにぶら下がっていた周辺機器は全て取り外しておいたので、取りに来た人はなんにもする必要なし。

なのに、解約手数料5,250円は高すぎる。

午後からは、ひかり電話の撤去工事部隊が到着。
我が家の目の前の電柱で簡単な工事が行われ、レンタルしていたTAなども返却。

それ以外は黙々と、ただ黙々と、そして粛々と箱詰め作業にいそしむ。
どうなることかと思ったが、夜には何とか箱詰め作業は完了した。

部屋の中は箱だらけになったが、それでもあちこちに空間が目立つ。
少なくとも、私が生活する場ではなくなってしまった。

部屋の中

この家で眠るのは、この日の夜が最後。

次の日から新しい場所での生活が始まるのに、なんだか無性にさびしくなる。

そして、2007年3月29日 木曜日。
とうとう引っ越し当日。戸建て引渡の日まで、あと2日。

引っ越し屋さんがやってくるのは、お昼過ぎ。
こまごました生活必需品の片付けを済ませ、準備万端整えてから、私はカメラ片手にある場所へ向かった。

ここは小学生の頃、しょっちゅう一人遊びをした、近所の堤防。

堤防

人付き合いが苦手で、なかなか友達ができなかった、小さい頃の私。
ここで一人何役もこなしながら、夕方まで過ごしたものだった。

かつてすぐ近くにあった広場には、今は隙間もないほど住宅が建ち並び、当時の面影は全くない。周囲の景色も、ずいぶん変わった。

けれど、この堤防そのものは、当時とほとんど変わらない。

「さびしい」という言葉すら知らなかった頃の私を知ってくれているこの場所には、さよならを言っておきたかった。
私にとっては、かけがえのない場所だから。戻りたくなる場所だから。

この日は雲が多い天気だったのだが、この時間だけは、晴れ間を見ることができた。


見上げた空

荷物の運び出しの時間が、刻一刻と近づいてきていた。









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杉浦 さやか


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マンションへGO!シリーズ (41)マンション一斉工事

2007年3月27日 火曜日。
マンションでの生活基盤が整う日。

少し時をさかのぼるが、引っ越し日が正式に決定した頃のこと。
私がマンションを選ぶ際にいろいろとお手伝いいただいた、アドバイザーのなおさんに、引っ越しの報告をした。
話の流れで、購入した荷物の搬入や各種工事を1日で済ませようと考えていると話すと、

「家から持って行く荷物、どうすんの?」
「何とかバイクで運ぼうかと思ってます」
「それはきついやろ」
「・・・まあ、そうですね」
「車、出したろか?」
「え?」
「その代わり、どんな部屋か、見せて」

ちょっと悩んだのだが、結局ご厚意に甘えることにした。
その時は荷物の量のことはあまり考えていなかったのだが、この日実際に家から運んだ荷物は、こちら。

持って行く物のリスト

お願いしておいて、本当によかった。
バイクだったら、絶対に1度では運べなかった。というか、バイクでの運搬は無理だったかも。

最初の訪問業者である家具屋さんの到着予定は、11時半頃。
その時間に間に合うように、マンションに入った。

依頼しておいたカーテンも、既に取付が完了していた。
部屋を見たなおさんは、興奮してあちこちチェックして回っていた。

「あー、ほんまに各部屋にLAN端子がある。この集中コンセント、ええなあ。便利やな。それにコンセント、ようけあるなあ」
「うわ、ベランダ、でか。でかすぎるんとちゃうか。夏、暑いぞ」
心配してた高架線、そんなに気にならへんな。よかったやん」
「俺のマンションより、やっぱり天井、高いな」
「物入れ、ようけあるなあ。こんだけあったら、十分やなあ」

築15年以上経過したマンションにお住まいのなおさんは、自分の部屋と見比べながら、しきりに「いいな、いいな」とつぶやき、最後にこう言ってくれた。

「奇をてらったところがない、ほんまに普通の部屋やなあ。玄関からリビングまでまっすぐの廊下で、風通しもええやろ。リビングは南向きやし、遮る物が何もないから明るいで。絶対、正解の部屋やで。よかったなあ」

家具屋さんを待つ間に、インターネットとIP電話の接続テスト。無事に接続完了。
仕事に使う固定電話もつながった。

そして、仏壇を置く和室の一角に、マットを敷く。
その後、パソコンを置く部屋にカーペットを敷いた。

しばらくすると、家具屋さん到着。食器棚と電話台が運び込まれる。

次にやってきたのは、スカパー!のアンテナ設置業者。
電波状況は全く問題なし。アンテナをベランダの柵に設置してもらう。

午後一番、エアコン設置部隊が到着。
数人のスタッフの手によって、3台のエアコンが各部屋に手分けして取り付けられていく。

その間には、大阪ガスのサービスショップが到着。
ガスの開栓作業が行われ、ガス器具の使用上の注意事項について、説明を受ける。

最後に到着したのは、テレビとテレビ台。
予定していた場所に設置してもらうと、リビングはすっかりできあがったような感じがした。

こうして、予定していた工事や搬入は、無事全て終了した。

引っ越しの日まで、あと2日。
戸建て引渡の日まで、あと4日。








ブロードバンド時代のマンション・オフィスビルの配管・配線設備ガイドブック
ブロードバンド時代のマンション・オフィスビルの配管・配線設備ガイドブック


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マンションへGO!シリーズ (40)マンション引渡会

2007年3月26日 月曜日。
いよいよ、マンション引渡日がやってきた。

引渡会会場は、マンションが建設された市の市民会館の一室。
天気にも恵まれたので、バイクで会場まで向かった。

会場に入り、自分の部屋番号が書かれた席に着席。
机上には、取扱説明書が綴じられた厚みのあるバインダー、書類、マンションの鍵、記念品の類が山積みとなっている。

周りを見渡すと、私のようにひとりで参加されている方あり、家族総出で参加されている方ありで、とても賑やか。

赤ちゃんを連れて来られている方もおられた。
赤ちゃんに泣くなというのが無理な話なので、できれば臨時の託児室を作ってほしかったな。
マンション販売会社の方、ご一考ください。

13時。引渡会開始。

代わる代わる数人が登場し、「ありがとうございます」「おめでとうございます」の類の挨拶が続く。
土地買収から建設着工まで手間取り、このマンションの建設企画立ち上げから引渡のこの日まで、1年以上。なかなか大変だったと、挨拶されたどなたかがおっしゃっていた。

系列のスポーツクラブの方まで登場され、入会を勧めるスピーチをされたのには、ちょっと笑ってしまう。

これから毎日お世話になる、管理人さんも登場。簡単に挨拶された。
60代くらいの男性だ。

次に、管理組合役員への立候補者が誰もおられなかったので、抽選で強引に決定。
1年交代の輪番制だが、抽選の結果、私に役員が回ってくるのは7〜8年先ということになった。

見事に初年度の役員を引き当てた方々の、なんとも複雑な表情が印象的。

それから、机上に載せられている書類や物品についての説明。その後、一番大事な鍵についての説明があった。

鍵は、細かく分けると4種類ある。

ひとつは、部屋の鍵。各部屋付属のトランクルームと兼用である。
部屋の鍵には2種類あって、出入口の解錠に必要な非接触センサーが付いているタイプと付いていないタイプ。
あとは、ペット足洗い場用の鍵、それと駐車場の鍵。

いずれも複数本渡されたのだが、緊急時に備え、部屋の鍵の1本を管理会社に預けることになっている。
鍵に記載された記号を書類に記載し、担当の方にお渡しした。

イベントは、2時間弱ほどで終了。

山のような荷物を抱え、会場の外に出てバイクを置いた場所まで歩いていると、背後から声を掛けられた。

またしても、Y新聞の勧誘員。これで3度目の登場である。
1度目は、契約説明会の時。2度目は、内覧会の時

ここまで来ると、営業努力というより、単なるストーカーっぽい。
きっぱりと、お断り。

翌日にはさっそくマンションに行き、1月に購入した家具類の搬入や各種工事の立会をしなければならない。電話・ガス・水道も開通だ。
引渡会から戻るとすぐ、翌日の準備に取りかかった。忘れ物がないよう、持って行く物を山積みにする。

そして、固定電話のローゼットから線を抜いた。
仕事用の回線はこの日で、家用の回線は明日で契約終了である。

引っ越しの日まで、あと3日。
戸建て引渡の日まで、あと5日。








マンションを買う前に!その間取りで幸せに暮らせる?―ブログ『マンションの間取り』管理人による間取りの評価
マンションを買う前に!その間取りで幸せに暮らせる?―ブログ『マンションの間取り』管理人による間取りの評価
飯沼 孝


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マンションへGO!シリーズ (39)梱包と掃除と段取りと

マンションへの引っ越しまで、残り1週間を切った。
いよいよ引っ越し準備も、フルスロットル状態に突入。

荷物整理も、本格的なものとなっていった。

一番後回しにしていた、普段の生活ベースであるリビング・ダイニングに置かれている物の箱詰めにも、この頃着手。
引っ越し屋さんからもらった箱と、この日のために置いておいた古新聞を使い、台所用品や食器なども黙々と箱詰めしていく。
どの部屋にも、箱があふれかえった。

引っ越しまでの悩みどころは、食事。

冷凍食品については、3月に入ってからは買い控えていたので、この頃には冷凍庫はほとんどからっぽという、無駄のないベストな状態にすることができた。
だけど、引っ越しまでの数日の普段の食事はどうしようか。

少しもったいない気はしたのだが、至近距離にあるコンビニやスーパーを冷蔵庫だと割り切り、この頃からは新たな食材は購入せず、出来合いの物やペットボトル飲料で済ませるようにしていった。
紙製の皿やコップ、割り箸などが、それから数日間は大活躍することとなった。

もうひとつの悩みどころは、入浴。

風呂掃除を、引っ越しぎりぎりの時期にはしたくなかった。かといって、ぴかぴかにしないまま出て行くのは、気持ちが悪い。
家のお風呂、いつまで使おうか。

考えた末、引っ越し4〜5日前に家での入浴は打ち止めにし、その後はバイクで十数分の所にあるスーパー銭湯に通うことにした。
引っ越しまでの銭湯通いは2回くらいだったのだが、いろいろな種類のお風呂にゆっくりつかると、様々な疲れがだいぶ癒された。

入浴も食事も、時期的なものにだいぶ助けられた。

入浴・食事についての方針を決めたところで、最後の風呂掃除、最後のガスレンジ・レンジフード掃除を実施。

こうして、戸建てでの「最後の作業」を積み重ねていく。

様々な業者からの連絡も、ぼちぼち入り始めた。
引っ越し前の「マンション一斉工事日」の時間割、引っ越し前日の戸建てでの工事、引っ越し、引っ越し後の工事、そして戸建て引き渡し時の段取りも、どんどん決まっていく。

私が立てた「マンション引き渡しから戸建て引き渡しまでの完璧なスケジュール」は、こちらからご覧になれます。

「マンション一斉工事日」には、たくさんの業者が入れ替わり立ち替わり来られることになるので、忘れ物などをしても自宅に戻ることはできない。
そこで、持って行かなければならない物、忘れてはいけないことなどを、思いついた時にメモ書きしていく。

漏れがないように、無駄がないように、失敗がないように。
そんな思いでいっぱいいっぱいだった。

そしていよいよ、3月最終週に突入した。








ネコの手が戦力に変わるとき―一人も無駄にしない全員戦力化経営
ネコの手が戦力に変わるとき―一人も無駄にしない全員戦力化経営
鬼塚 雅史


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マンションへGO!シリーズ (38)残金支払い

2007年3月23日 金曜日。
マンションの残金をはじめ、様々な代金を全て決済する日がやってきた。
場所は、大阪・梅田にある、買い主さんが住宅ローンの関係で取引している銀行のローンセンター。

私の方は、戸建てを売却してマンションに移住する、いわゆる買い換えなので、住宅ローンは利用していない。
そもそも、私が住宅ローンを利用することは、まず無理だからだ。

買い換えではあるが、決済には多少の自己資金も必要だった。
そこでローンセンターに入る前、私が取引している銀行へ行き、この日必要となるお金を引き出した。

自動送金も可能だったのだが、営業マンのはつさんにこう勧められたのだ。

「手数料が結構かかりますから、お持ちになった方がいいですよ。不安でしたら、私が付き添いましょうか?」

その申し出は辞退したものの、手持ち現金輸送は、やっぱり緊張した。
銀行から銀行への移動はほんの数分だったのだが、手数料をけちらずに、自動送金にすればよかったと後悔。

午前11時前、ローンセンターの一室へ。
買い主さんご夫婦と顔を合わせるのは、戸建ての売買契約手続きの時以来、ほぼ4ヶ月ぶりだ。
「お久しぶりです」と挨拶し合った。

午前11時。
買い主さんご夫婦と担当営業マンのくうさん、私と担当営業マンのはつさん、司法書士、銀行関係者が揃い、一連の手続き開始。
戸建て売買に伴う仲介手数料の残金、マンション購入代金、それに戸建ての登記手続きをして下さった司法書士さんへの支払い手続きが、順次行われた。

なーんにも見えないけれど、目の前で大金が銀行から銀行へと渡り、不動産会社へ吸い取られていく。

手続き途中、私の自己資金を確認する段になり、私が鞄から現金を引っ張り出すと、買い主さんは目を丸くしてびっくり。

「も、持ってこられたんですか?」
「手数料が結構かかるから持参するように勧められたんです。でも緊張した〜。やめればよかったかなって・・・」

私の言葉に、買い主さんは笑っておられた。

書類上の手続きは滞りなく終了。
だが、決済が完了するまで予想以上に時間がかかり、かなり待たされる羽目に。
その間、みんなで世間話をして過ごした。

この日デジカメを持参していた私は、買い主さんにお願いしてみた。

「あのう、写真を撮らせていただいていいですか?」
「え?」
「いえ、以前から父が『どんな人が家を買うてくれたんや?』って、私に聞くんです。『まだお子さんはいたはらへん、若いご夫婦やで』って伝えてるんですけど、お二人の写真を父に見せてやりたいなって思いまして」
「そうなんですか。いいですよ。どうぞ」

快諾して下さり、ご夫婦の写真をぱちり。

そして無事、決済完了。
お金の問題は、とりあえず全部片付いた。

さあいよいよ、引っ越しへのアプローチ段階から、フルスロットルへ切り替える時期がやってきた。








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加藤 ひろゆき


JUGEMテーマ:マンション購入記


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