JUGEMテーマ:四十路のつぶやき


先日、高校時代の友人と久々に長電話した。
用件はたった1つだったんだけど、しゃべっているうちに用件は次第に遠ざかり、話題があっちにふらふら、こっちによたよた。

懐かしい高校時代の話をしていた時、友人にこう言われた。

「ひーちゃんって、高校の時と比べて、ほんまに変わったよねえ。見事なほどやわ」

彼女から時々言われていたことなのだが、今回あえて聞き返してみた。

「どこが変わった?」

すると友人は、こう返してきた。

「ほら、たとえて言うたら、栗の皮をむいたら、薄皮がまだあるやん。それがなくなった。薄皮が取れて、すごく良くなったし、話しやすくなったわ」
「そうですか、私は皮をかぶってましたか。ああ、そうですか」

夜中に2人で大笑い。
でも、うまいこと言うなあと感心した。それに、とてもうれしかった。

過去にも何度も書いているけれど、父は酒と賭け事が好きな、典型的なぐーたら男だった。

給料日にもらった給料で酒や賭け事をする人だったため、当時手渡しだった給料をそっくりそのまま家に持ち帰ったことは、ほとんどなかった。
借金もしていたし、家族に無断で役所に登録していた実印を変更していたこともある。肝硬変やアルコール中毒になるくらい浴びるほど酒を飲むし、ヘビースモーカーでもあったので、何度も大病を患っている。

母は、父の職場や遊び場所、役所、警察署などに足を運び、常に父のフォローに奔走していた。特に私が小学生くらいの頃がピークだったと思う。
母の目は、いつも血走っていた。常に全身がびりびりしていて、異常なほどの神経質ぶりを発揮していた。何か私がへまをしでかすと、ものすごい勢いで怒鳴り倒す。

だから家にいるのがしんどくて、一人で遊ぶことが好きだった。
10代の頃、家を出て一人暮らししたいと思うこともあったが、実際に出ることはなかった。出る勇気もなかった。

それはたぶん、母があまりにもうまく私を操縦しすぎたことが原因だろう。

夫婦仲が破綻すると、夫婦関係を築くために費やすエネルギーも、全て子どもに向けられがちだ。
母は何もかも、とにかく何もかも、一人っ子である私にぶつけてきた。

友達よりも何よりも、家(母)を優先するよう求めてきた。
親に逆らわず、女の子らしく、優しく素直でおとなしく、誰からも愛されるまっすぐなよい娘に育てようと、母は必死だった。もっと勉強しろ、安定した職業に就けと、口癖のように言っていた。

親なら誰でも望むことだけれど、母のそれは、親という立場を最大限に利用した、壮絶なプレッシャーだった。

10代の頃からよく胃の辺りが痛くなり、胃薬でごまかしていた。
30代で受診した人間ドックで、医者にあきれられるくらいにひどい状態の十二指腸潰瘍が発覚したけれど、もしかしたら既に10代の頃から潰瘍が繰り返しできていたのではないかなあ。

友達にテストの点や通知表を見せるものではないと、きつく言われた。
学校は勉強をする場所だから、授業が終わったらさっさと家に帰ってこい。クラブは勉強ではないから、入る必要はない。どうしても入らなければいけないなら、自分の苦手を克服できるようなクラブに入れと言われた。

お小遣いなんかも、小学生の頃は、ほとんど持たせてもらえなかったなあ。

母のこういった言動は、他人の目から見て、私が常に「真面目で頭が良い、おとなしくて素直な子ども」に見えるようにするためであったのだろう。
だけどこういうことをしていると、たとえテストの点が0点でも、常に100点を取っているように言われてしまう。教師でさえ、「まじめでおとなしい」という目でしか私を見ない。

私はそんな人間じゃない。勉強だって、そんなに好きじゃない。
子どもの頃から、ずっとそう思っていた。本当に息苦しかった。

だけど母の苦しみをずっと見ていた幼い私は、心のどこかで「母はかわいそうな人だ」と思っていたのだろう。親の顔色をうかがい、親に遠慮していた。
今思えば、本当に子どもらしくない子どもだった。

母は、私が29歳の時に、ガンで亡くなった。
それはとても悲しかったし、脳卒中で既に病院で車椅子生活を送っていた父の介護がすぐ始まったのだけれど、それまでの約30年の生活がどれほど私を圧迫していたか、30代になって初めて気付かされた。

父は、基本的に誰かに依存することで生きてきた人だ。母が亡くなった後は、一人娘である私に全身で依存してきていた。だから、自分の人生のことだけでなく、その後の父の人生まで私が選択してきた。
さらに、家や仏壇や墓のことまで決断を迫られるのは、一人っ子の運命だ。

つらいこともたくさんあったけれど、誰の指図も受けず、自分の信念に基づいて、自分の足で歩くことが、こんなに楽だなんて。こんなに充実しているなんて。

もしかしたら、私は30歳から本当の人生をスタートさせたのかもしれない。

今回の友人に限らず、20代までの私を知っている人は、口を揃えて「本当に変わった。昔より今の方が、ずっと良くなった」と褒めてくれる。
思い返すと、20代までの私は、考えることをやめていたのだと思う。

母の勘は非常に鋭く、私の言動は全てお見通しだった。だからいつでも先回りし、私が困らないようにフォローしてくれた。
母の敷いた線路を走っていれば安心だったし、何よりも違う線路を走ると、母は悲しい顔をする。時には「あんたは私の言うこと、ちっとも聞かへん」と怒り出す。

親に何を言っても詮無いことだし、どうせ無駄。特に母に逆らうと、その倍以上の言葉が返ってくる。結果、つらい思いしか残らない。

理不尽だし、逃げ出したかったけど、母が私のことを常に最優先で考えてくれていると自覚していたので、徹底的に反抗することもできなかった。
たどりついた方策が、思考停止。そして、あきらめる。

誰に何を聞かれても、「なんでもいい」「どっちでもいい」と言い続けていたのは、自分を守るためだったんだと、最近気付いた。
もしそうしなければ、私は10代で、精神的に破綻していたと思う。

そんなことを友達に話すと、「ああ、何となく分かる気がする。あの頃のひーちゃんって、時々『無』のような感じがした」と言われた。

学生時代や社会人時代の他の友達も、似たようなことを感じていたんだろうな。つかみどころのなさは、私自身も感じていたから。

昔より今がいいと言ってもらえることは、素直にうれしい。
すごく遠回りしているけれど、自分の意思で歩いている道が決して間違っていないと、大切な人たちから認めてもらっているように思えるから。

私自身も、今の自分の方が、数段好きだ。
今までの人生で一番しんどかったのが10代なので、年々気持ちが楽になっているように感じる。
ただ、あきらめることが苦もなくできてしまうから、物事に執着心がそれほどないというのは、痛いけれど。

友達の「薄皮が取れた」という言葉に、とても幸せを感じたひとときだった。




別の友達には「自然体なのが良い」と言われたけど、同じような意味なのかな。

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  • 2020.07.22 Wednesday
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Comment
親友は宝物ですね(^O^)
  • ryohmac
  • 2011/05/05 07:11
本当にありがたいことです(;.;)
篠山で買って帰った栗。
薄皮剥くのは大変でした。
甘栗の比じゃないです。

でも、
そのあと炊いた栗ご飯の
ほっこりして、美味しいこと!。

(以下蛇足省略)

  • 作務衣2号
  • 2014/11/25 14:38
実は私、栗の下処理ってしたことないので、薄皮の実物を見たことがないという・・・
おい!
  • 作務衣2号
  • 2014/11/26 12:26





   
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