こまめに手放すようにしていたが、ふと気付くとたまっているのが、本やCD。
移動にあたって、これも整理する必要がある。

小説の文庫本やCDなどは、保存版として手元に残しておきたいもの以外は、全て売却することに。
それと、10代から買い集め、後生大事に持っていた漫画のコミックスも、文庫タイプ以外は手放すことにした。

だって、いつ「ガラスの仮面」のコミックスが完結するかわからないもん。
それに過去のコミックスは、既に文庫コミックス本となって出版されているし。
またほしいと思った時は、古本屋で買おう。

初版本が多いので、正直惜しいなとは思ったが、潔く決意。
古本やCDを売却する時によく利用している宅本便を、今回も利用することにして、箱詰めする。
全部で100点以上ある。結構な量だ。

しかし、宅本便などを利用すると、間違いなく廃棄処分になる本があった。
それは、絵本。

親戚から譲り受けたり、母から買ってもらったりした本を、私はかつてたくさん持っていた。
ほとんどを処分したのだが、どうしても絵本だけは捨てられなかった。持っているだけで安心感があり、段ボール箱の中にずっと眠ったままになっていた。

私は、特に「こどものとも」が大好きだった。
何度も読んだことを、とてもよく覚えている。落書きしたことまで記憶している。

しかし、このまま持っていても宝の持ち腐れ。結構古いものだけれど、集めている人がいると思った。
買ってくれる業者はいないだろうか。

そこで、ネットで古本屋さんを検索し、見て回った。その中から、絵本の買い取りに力を入れている様子の2店舗に見積もり依頼を出してみた。
所持している本のタイトルや著者、発行年月、本の状態を一覧にして、見てもらった。

絵本一覧1
絵本一覧2
絵本一覧3
絵本一覧4


1店舗は、状態がよくないので、ほとんどの本に値段がつけられないとの返事だった。
幼き頃の愚行を後悔する私。
そういえば、「本に落書きしたらあかん」って、母がよく怒ってたな。

しかしもう1店舗は、見積もりが出るまで少し時間がかかったが、比較的高値をつけて下さった。
そして、私が見積もり依頼をした本全てを買い取って下さると言う。

その店舗は、「海ねこ」というネット古本屋。

記名や落書き、破れなど、結構汚れが目立つ本が多いにもかかわらず、それでも買い取ると言って下さった気持ちがうれしかった。
それに、メールをやりとりしているうちに、店主さんは本当に本がお好きなんだなということが感じられた。

この方なら間違いないだろうと思った私は、買い取りをお願いすることにした。
箱詰めされた絵本たちは、海ねこさんの元に旅立っていった。

買い取ってもらってしばらくして、私が売った「こどものとも」がすぐにネット上で販売された。
それがすぐに売れているのを見た時は、うれしかったなぁ。

必要としてくれている人の所に行く方が、本も幸せだ。
なぜもっと早く売らなかったんだろう。
そんな思いで一杯になった。

不要品は処分でき、本も売却したので、押し入れの中はマンションに持って行く物だけになった。
順調に家の中の整理を進めている最中、予想だにしないことが発生した。





ゆきごんのおくりもの (新日本出版社の絵本)
ゆきごんのおくりもの (新日本出版社の絵本)
長崎 源之助


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平成10年(1998年)に家を建て替えた時、亡き母が残した膨大な不要品にショックを受けた私は、物をなるべく増やさないよう心がけるようになった。

その時の心境を書いたエッセイはこちら

自分では使わない物を頂いたときによく利用したのが、バザー。
年に2回くらい、市内にある授産施設が資金集めのためのバザーを開催していた。未使用の生活用品だと特に喜んでもらえるので、よく商品を提供したものだ。

捨てるタイミングを逸してしまったが、かねがね処分したいと思っていた物の代表格が、金庫。

何を思ったのか、私の母が通販か何かで購入した代物である。
ダイヤルと鍵のダブルロック式の、結構頑丈な耐火金庫である。

入れているのは、通帳や保険証書、土地・建物の権利書くらいのもの。
宝石・貴金属を持っているのなら金庫を使う価値もあるだろうが、私にとっては無用の長物。

それにこの金庫、図体の割にそんなに物が入らない。
そのうえ、金庫なので当然なのだが、非常に重い。私ひとりでは、移動させることもできない。

いい機会なので、この金庫を処分しようと決めた。

他にも、家を建て替えてから1度も使わなかった物、箱に詰め込んだきり1度も開梱しなかった物がある。
8年もの間、使いもせず、見ることもなかった物を置いておいても、今後絶対使わない。経験上、それは確か。

で、そういう類の物を引っ張り出してみた。
調理器具、電気製品、楽器、雑貨など、結構な量がある。
全て、「燃えないゴミ」である。

不燃焼ゴミ回収日は、毎月1度。月の後半である。
マンションには持って行かないが、引っ越しぎりぎりまでは使う不燃焼ゴミは、3月の回収日に出せばいい。引っ越しは3月末だから、グッドタイミング。

しかし、自力で回収場所まで運べない金庫は、不燃焼ゴミには出せない。
出したところで、重すぎてたぶん回収してもらえないだろう。

そこで、ネットで見つけた不要品回収業者を呼び、回収料金を見積もってもらうことにした。

電話で依頼した数日後、業者が2人でやってきた。
メインの金庫と、部屋の片隅にまとめておいた不要品の山をみてもらった。

「どれか買い取っていただけそうな物、ありますか?」
「ありませんね」

業者、即答。
使い古した物ばかりだし、ブランド品なども全くなかったから、当然だけど。

金庫をはじめとした不要品回収料金は、約56,000円。クレジットカード使用OK。
この値段でOKなら、すぐ持ち帰るとおっしゃる。

思っていたより高額だったので、決めるまで1〜2分悩む。
悩んだ結果、お願いすることにした。不要品を何とかしなければならないことには、変わりないのだから。

まあそれからの2人の動きの敏捷なこと。
役割を分担しててきぱきと動き、みるみるうちに不要品が撤去されていく。

私が持ち上げようとしてもびくともしない金庫は、扉を外してから、軽々と持ち上げられた。それもひとりで。

「すごいですね! 重たくないんですか?」
「重いですけど、これ、運ぶコツがあるんですよ」

そう言いつつ、3階に置いてあった金庫を持って、階段をひょいひょいと下りて行かれる。
あっけにとられるというのは、このことだ。

10分もしないうちに、私が山にしておいた不要品は見事にトラックに積み込まれた。
ちょっと高くついてしまったが、あっという間に不要品が消え、部屋も押し入れもすっきり片付いた。

しかし、何とか処分したいけれど、私にとっては不要品ではなく、廃棄することができないある物が、まだ押し入れの中に眠っていた。





こんどこそ!「捨てる」技術!収納のきほん おさらい帖
こんどこそ!「捨てる」技術!収納のきほん おさらい帖
芳賀 裕子


 

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2007年元旦。
年賀状と共にポストに投函されたのは、リフォーム会社からのぶっといカタログ。
このリフォーム会社は、マンション施工会社のグループ企業である。

カタログをぱらぱらとめくると、部屋の内部やベランダのリフォーム提案だけではなく、家具・インテリアの案内なども掲載されている。
引き渡し時だけでなく、引き渡し後もお金を使わそうという算段であろう。

引っ越しまで3ヶ月弱。マンション建築も順調に進んでいるらしい。
そこで、購入する必要がある家具・電気製品などを洗い出してみた。

まずは、エアコン。

家には、リビングと寝室にエアコンが1台ずつ、パソコン部屋にはウィンドファンを1台取り付けている。
ウィンドファンに関しては、まだ2年ほどしか使用していないが、持ち出しても設置できる窓がない。

エアコンに関しては、故障もなくまだ使えそうなので、当初は持ち出すことも考えたのだが、使い始めて既に8年。
オフホワイトだった色は黄ばみ始め、新築マンションには明らかにそぐわない。

また、現在発売されているクーラーの方が性能がよく、省エネ対応がされているため、現状のエアコンより電気代がかなり節約できるという話を聞き、購入することに決めた。

テレビも当初は持ち出す予定だったのだが、地デジ非対応のブラウン管テレビを使用していたので、結局買い換えることに。

ちなみにこのブラウン管テレビは、もらい手が見つかり、捨てずにすんだのでうれしかった。
引っ越し直前に出荷したのだが、ヤマト運輸に電話して取りに来てもらった。梱包不要で、運賃も思ったより安くてびっくり。

エアコンやテレビの買換を思い切れたのは、大手電気量販店に知り合いがいるという、アドバイザーのなおさんの協力のたまもの。
テレビ台も、使用中のものはリビング備え付けタイプなので購入する必要があったのだが、これも比較的安価で手に入れられることになった。

やれ、ありがたや。

家具で必要なのは、食器棚。テレビ台同様、これもキッチン備え付けタイプなので、持ち出せないのだ。
それから、カーテン。

送られてきたカタログには、大塚家具で購入すれば、ほんのちょっとだけだが割引になるとある。
そこで、お正月が明けてしばらくしてから、大阪・福島駅の近くにある大塚家具梅田ショールームへ出かけた。

大塚家具は、客単独で店内を見て回ることはできない。
必ず販売スタッフがひとりついて、希望する家具が置いてある売場に案内してくれる。
また、家具を置く場所の寸法図や、部屋のレイアウトなどを見せると、様々な相談にのってくれる。

要するに、目的意識を持っていないと入店できないということだ。

食器棚の色は、出発前まで木目調を希望していた私。
しかし実際に商品を見ると、圧倒的に白が多かった。

「キッチン=白」というイメージを持つ人が多いこと、白の方がメンテナンスが容易な材質でできていることもあり、木目調の商品は種類が少なく、若干高いのだと、この日ご一緒したスタッフの方がおっしゃっていた。

最初はちょっと木目調にこだわったが、食器棚を設置する場所とリビングの間には、天井までの壁があるため、リビングからは食器棚は見えない。
それにキッチン全体が白っぽいイメージなので、方針変更。白色の食器棚をセレクトすることに。
たくさんあるので悩んだのだが、設置スペースと食器の量を考えながら何とか決定。

食器棚が予想よりも安くで購入できたので、予定にはなかった電話台を購入することに。

使用中のテレビ台には、リビング周りで使用する小物や書類などが根こそぎ収納できるスペースが附属していた。
しかし、テレビ台を持って出られない以上、そこに入れていた書類や小物を収納する家具が必要になる。

電気屋経由で購入する予定のテレビ台の両側に置こうと考え、色あいが似ている電話台を2台購入。

その後、カーテンの見本帳を見せてもらった。
メーカーも数社あるし、数も種類も膨大なので、目がちかちかする。
やや混乱状態に陥りながらも、数種類のカーテンをセレクト。

カーテンの見積担当は、リフォーム会社。
大塚家具からリフォーム会社に、私が選んだ商品の番号が連絡され、リフォーム会社から私に見積が届くという段取りになる。

自分でカーテン専門店に足を運んでもよいのだが、リフォーム会社を通して購入すると、マンション引き渡し後すぐにカーテンを取り付けてくれるというメリットがある。
取付時に私が立ち会う必要もなく、引っ越し時には既にカーテンがついているということだ。

これで、大きめの電気製品・家具の段取りはついた。
次は、マンションには持って行かない物の処分を考える番だ。





住まいの設備を選ぶ本 2008年Summer&Autumn (2008) (リクルートムック) (リクルートムック)
住まいの設備を選ぶ本 2008年Summer&Autumn (2008) (リクルートムック) (リクルートムック)
HOUSING Goodリフォーム


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売買契約からしばらくして、購入者のHさんのローン審査が無事通過したという連絡が届いた。

移動がいよいよ本決まりになったこともあり、数ヶ月後に支払うマンション費用のこと、購入しなければいけない家具のこと、荷物の整理のことなど、私の関心は「来るべき生活」の方に移りつつあった。

しかしその一方で、あまりの急展開にとまどっている私もいた。
本当にこれでよかったのか、両親はこんな展開を望んでいたのか、様々な思いが心をよぎった。

だけど、マンション購入と自宅売却に関しては、大きな風が吹いている。
それは確かだ。

2001年に、私を実の子供のようにかわいがってくれていた伯母が亡くなった。
伯母夫婦には子供がおらず、既に彼女のご主人も亡くなっているので、伯母夫婦が住んでいた家は空き家になってしまった。

そこで、別の叔母が裁判所や司法書士事務所に通い、家の処分に奔走した。
相続人は全部で40人以上。調査は非常に困難だったらしく、話がなかなか前に進まない。
調停は結局物別れに終わり、競売手続きへと移行。

第1回調停時の話は、こちらをお読み下さい。

いくつもの季節が過ぎていった。

私がマンション購入に動き出した頃、この家が地方裁判所による競売にかけられ、無事落札された。
そして、我が家の売却が決定してしばらくしたある日、裁判所から落札者より支払われた分配金の振込先を知らせるようにという通知が届いたのだ。

それまで遅々として進まなかった、伯母の家の売却話。
なのに、この時期を待っていたかのように、一気に動いた。

裁判所からは、年末に分配金が振り込まれた。
これは本来、母が相続するはずのもの。

娘なので受け取る権利はあるのだが、正直「私がもらっていいのか」という思いを、当初からずっと抱いていた。

そんな私の思いを見透かしたかのようなタイミングでの入金。
何もない時期だったら、活用に躊躇していたと思う。使えなかったと思う。
このタイミングだったから、マンション代金の一部に充当させてもらおうと素直に思えたのだ。

明らかにこれは、生前は機会があるごとに一緒に行動し、今は同じ場所から私を見守ってくれているであろう、伯母と母からのプレゼントだ。

まだある。

両親が土地付き一戸建てを購入したのは、1967年(昭和42年)。
私がその土地付き一戸建てを離れるのは、2007年(平成19年)。

両親が扉を開け、私が扉を閉めるまで、ちょうど40年。

両親が開けた扉を40年という節目の年に閉める役割まで、私に託してもらえてるんだと感じた。
私以外ではたぶん、両親は許さないのだろうと。

希望する場所に新築マンションを発見できたことといい、わずか半月でよい条件で戸建てを売却できたことといい、何か大きな力が風を起こしてくれている。
誰かが見えない手で、私を支えてくれている。

私に関わる全てから、「間違ってはいない」と言われているような気がした。
むしろ、「迷わず進め」と背中を押されているというか。

大きな風に包まれたまま、2006年は暮れていった。






Best Selection
Best Selection
亜波根綾乃,田中花乃,片岡大志,青木せい子,柴野繁幸,永森羽純,小山薫堂,本間昭光,亀田誠治,中村修治,十川知司

 

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2006年11月12日 日曜日。

売買契約手続きは18時からなのだが、朝からなんだか落ち着かない。
落ち着かないので、午前中から持ち物チェックをしてしまった。

午後は、父が暮らす施設へ。
私ですら展開の早さに驚いているのに、この日が契約だと父に告げるには、あまりにも早すぎるタイミング。うまく説明できる自信もなかった。

そのうえこの日の父は、自分の装具のことで頭がいっぱいで、軽い興奮状態。
興奮を抑えるのにどれだけ時間がかかったことか。

施設から一旦家に戻り、あらためて不動産屋に向けて出発。
バイクで行ける距離だが、電車に乗って行くことにした。

我が家の最寄り駅から電車で一駅。下車駅から歩いて数分のところに、はつさんやくうさんが勤務する不動産屋さんがある。
真向かいにはデパート。駅前なので、非常に賑やかな場所である。

このビルの前で立ち止まるのは初めて。
店舗は1階。すごくこぎれいな店舗だったので、一瞬とまどってしまった私。

入店して名前を名乗ると、すぐ応接室に案内された。はつさんもすぐ顔を出して下さった。
しばらく待っていると、Hさんご夫妻も到着された。

いよいよ売買契約締結スタート。
説明・進行役は、Hさんの営業担当であるくうさんである。

契約書・重要事項説明書・設備表・物件状況等報告書などに記載されている内容を、くうさんが読み上げる。売主・買主双方が確認・了承後、全ての書類に住所・氏名を記入し、押印していく。
ある意味、流れ作業である。

重要事項説明書には、契約書よりもさらに詳細な物件情報・取引条件に関する事項が、事細かに記載されている。
自治会のことまで書いてあるのには、正直びっくり。

設備表は、引き渡し時にどの設備を残していくかを一覧にしたものである。
物件状況等報告書は、私が把握している我が家の現況が書かれたものである。

給湯関係・キッチン、浴室、洗面所、トイレなどの水回り関係・空調関係・照明関係・収納関係・建具関係・エクステリア関係と、ありとあらゆる設備についての情報が記載されている。
また、雨漏りやシロアリの被害はないかなど、土地建物全体や近隣の把握している限りの情報についても、買主に説明する必要があるのだ。

カーテン・ロールスクリーン・冷暖房機器は、そのまま置いていくこと。
和室・リビング・ダイニング・洋室の照明は、退去時に持って出ること。
鉢植えは撤去するが、植木はそのまま置いていくこと。
駐車スペースの門扉のネジが、一部はずれてしまっていること。
風呂場の網戸に小さい穴が開いていること。
1階トイレの床の隅にカビの跡があること。
網戸の開閉がしづらい箇所があること。

他にも、あらかじめ私が提出していた書類と、はつさんのチェックに基づいた、ありとあらゆる情報が記載されていた。

あたりまえですが、まぁ細かいこと。

前日に行った隣地境界の確認書も、もうできあがっている。


確認書1
確認書2
(個人情報記載の箇所をカットして掲載しています)


そこにも、印鑑をぺたり。

そして金銭のやりとり。
Hさんは手付金を私に手渡され、私はその手付金を使って仲介手数料の約2分の1を、はつさんにお支払い。

1時間半ほどで、手続きは滞りなく終了。
まだ打ち合わせが残っているというHさんご夫妻は応接室にとどまり、はつさんに見送られて私は帰途についた。

今住んでいる場所を半年後に離れることが、本当に本当に決定してしまった。
我が家を売りに出してから、わずか半月後のことだった。





不動産売買・賃貸借契約の書式文例48 (DO BOOKS)
不動産売買・賃貸借契約の書式文例48 (DO BOOKS)

 

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2006年11月11日 土曜日。
午前10時前、はつさんが我が家に到着された。

午前10時ジャスト、まずBさん宅のインターホンを押す。
Bさんの奥様が出てこられた。

Bさんの隣地境界線に関する認識は、Bさん宅新築時に建築会社と申し合わせした通りのものだった。前日からちょっとどきどきしていた私、ほっと安堵する。
汚水桝がBさん宅に越境している旨を確認して、Bさんとの話は終了。

次にAさん宅のインターホンを押す。
ご夫婦2人とも登場。

こちらも境界に関する認識は、全く問題なし。お2人揃って「ここ、ここ」と境界線を指さされ、確認作業は1〜2分で終了。
その後は、ご主人がはつさんに盛んに話しかけ、奥様からは「どんな人が来るの?」と聞かれた。

既にBさんの奥様からも質問されていて、「お若いご夫婦です。お子さんはいらっしゃらないようですよ」と答えたのだが、私が消えることよりも、次に誰が来るのかということの方が、両隣にとっては気になることなんだよなぁ。

とんでもなくやばい人が引っ越ししてきたら、大問題だし。
でも、ちょっと、複雑な気分。

雑談も含め、隣地境界確認作業の所要時間は15分ほど。
本題よりも雑談の方が長かったかも。

あまりのあっけなさに、ちょっと拍子抜けした私。
はつさんは、「早いですね・・・」とぽつりとつぶやいていた。

この後、購入者が再度見学に来られる予定になっていた。
でも境界線確認作業があっという間に終わってしまったので、中途半端に時間が余ってしまった。

家の中で見学隊を待つ間、翌日の契約のこと、契約後のことをお聞きし、その後はあれこれ雑談をして過ごす。
週末ということで、はつさんの携帯には会社やお客様からしょっちゅう連絡が入り、お忙しそうである。

そうこうしているうちに、くうさんと共に購入者のHさんご夫婦が到着。なんと今回は、Hさんのご両親もご一緒である。
型どおりのご挨拶をしながらも、ちょっとたじろぐ私。

ご両親が一緒だなんて、聞いてまへんがな。
来客用スリッパは4足しかないから、全員に行き渡りまへんがな。

Hさんご夫婦は、既に3度目の見学になるため、すっかり恐縮されている。
「何度も押しかけてすみません」と言いつつ、手土産のお菓子を差し出された。

それからしばらく、不動産屋さんも含め、大人6名様が家の中をうろうろ。
こんな6人もの来客なんて、我が家ではまずないことである。

最初の見学時に、Hさんのご主人は壁のクロスの糊の跡を気にしておられた。
しかしこの日は、こんなことをおっしゃった。

「最初は結構気になったんですけど、何度か寄せていただいてると、気にならなくなるもんですね」
「そうでしょう? それでついほったらかしにしてしまっているんですよ」

2人で笑い合う。

今回初めての見学となるHさんのご両親も、不安や不満は口にされず、うれしそうな笑顔を見せておられた。
お子さんの選択にまずまず満足しておられるのだなと、私もうれしくなる。

お母様は、仏間と仏壇があることに少し驚かれていた。確かに仏間がある和室って、最近減っているもんなぁ。
飾ってある遺影について口にされたので、私の母であることを告げると、「まあ・・・」と気の毒そうな声を発しておられた。

お父様は、かつて建築関係のお仕事をされていたとのことで、家の細かい造作に目が行くとおっしゃっていた。
玄関口の造作を見ながら、「この箇所は、こういう理由で、こう造られている」という説明まで拝聴した。

ひとしきり賑やかで和やかなひとときが過ぎ、「それでは、また明日お会いしましょう」と声を掛け合いつつ、皆さんをお見送りした。

いよいよ翌日は、売買契約締結である。





住宅営業バイブル―1ヵ月に2棟売る! 業界歴35年のすべてを集大成した「売れる手法」
住宅営業バイブル―1ヵ月に2棟売る! 業界歴35年のすべてを集大成した「売れる手法」
森 鶴夫


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我が家の売却が正式に決定した翌日。

両隣の家に、半年先に家を売却することになったことを伝え、売却にあたって境界線を確認しておきたいとの不動産屋の申し出があったので、立ち会っていただけないかとお願いした。

突然の申し出だったが、見学者がうろついたりしており、やや噂になっていたようなので、そんなに驚いた様子はなかった。
そして両家とも、翌土曜日午前中の立ち会いを、快く了承して下さった。

ここで、我が家と両隣との関係に触れておこうと思う。

我が家から向かって右側の家は、Aさん宅。
お子さんは既に家庭を持ち、ご夫婦2人でお住まいである。

我が家が越してきた時には既にお住まいだったとのことなので、もう40年近いお付き合いである。Aさんの息子さんと私は年齢が同じということもあり、小さい頃からずいぶんかわいがっていただいた。

しかし、平成10年の我が家の建て替え時、多少トラブルが発生した。

建て替え前までは昔の住宅街特有の「路地」が存在しており、その路地が境界をあいまいにしていた。本来はその路地は、我が家の土地。
だがそのあいまいさゆえ、Aさんの奥様は、我が家の境界ぎりぎりまで庭木を植え、ガーデニングを楽しんでおられた。

それらの庭木が、家の解体時に崩れてしまったのだ。

一切の交渉事はハウスメーカーにお願いしたので、ハウスメーカーとAさんご夫婦とは、ややすったもんだがあったようだ。しかし、災い転じて福となす。
その事件がきっかけで、Aさんご夫婦は我が家との境界線の位置を、はっきり認識して下さった。

ありがたかったのだが、認識しすぎの弊害。

1つは、ご主人が出入りの植木屋さんを呼び寄せ、境界を示すブロックの上に、竹の棒でできた柵を据え付けて下さったこと。
Aさんの発案だったが、反対する理由もない。それに私は、一切費用を出していない。

しかしこの柵のおかげで、うちの犬走りがえらく狭くなってしまって、正直往生した。

もう1つは、庭木の枝が伸びたり、花びらや落ち葉がうちの敷地に落ちたりすると、奥様が「ひーちゃん、邪魔してごめんね」と何度も声を掛けて下さるようになったこと。
時には、掃除するために勝手に門を開けて入ってこられることも。

そのしつこさたるや、「もう勘弁して下さい」って言いそうになるくらい。

我が家から向かって左側の家は、Bさん宅。
若いご夫婦とお子さんの3人でお住まいである。

我が家を建て替えた当時、この家はまだ古い平屋で、空き家だった。
家主はCさんで、かつてはお住まいだったのだが、遠方に転居された後は、貸家として活用されていた。
しばらくは借り手もいたのだが、家が古くなるにつれ、次第に空き家の期間が長くなっていた。

余計な隣地トラブルは防いだ方がよいという、ハウスメーカーのアドバイスを受け入れた私は、家の幅と建設位置は従前のまま建て替えることにした。
その旨を平屋の持ち主であるCさんに説明し、ご了承をいただいた。

しかし数年後、Cさんは土地と家を売却された。
そして新しい戸建て住宅が建設されることになり、施工会社が境界線についての打ち合わせに来られた。

この古家との間は、やはり路地。トイレが汲み取り式だった頃には、両家にとっては必需品だった。
しかし、我が家との境界はかなりあいまい。

我が家の建て替え時にも、どこを境界にするか問題になったのだが、路地に面している両家の塀と塀の間の真ん中を、暫定的に境界に設定して建築された。

しかし、古家の塀の位置を基準に寸法を測った結果、我が家の汚水桝と水道メーターが数10センチ越境していることが判明。

とはいえ、両方とも今さら動かすことはできないので、次回建て替えの際には越境しないようにするということで、決着した。
さらに、窓を外側に全開させると越境につながるので、気を付けて下さいとまでおっしゃった。

しかし汚水桝はまだしも、水道メーターやら窓などは、空中での越境である。
こういうのも問題になるのか、とびっくりした私。

建設会社にとっては、隣地境界線問題解決は大きな関門であろう。担当者は、やたら腰が低かった。

「細かいことで、申し訳ございません」
「いいえ、こういう機会にはっきりさせておいた方がいいですよ」
「・・・そうおっしゃっていただくと、非常にありがたいです」

Aさん宅と数年前にトラブってなければ、こんな気持ちにはなっていなかったかもしれない。

そして数ヶ月後、無事戸建てが完成。完成後ほどなくして、Bさんご夫婦が越してこられた。

境界線で問題になるとすれば、Bさん宅との方が確率が高い。
Bさんとは朝夕の挨拶を交わす程度で、境界のことについては一切話したことがない。
建設会社から申し送りを受けておられるはずなので、無茶はおっしゃらないと思ったが、どうしても不安は否めない。

ちょっとどきどきしながら、土曜日の朝を迎えた。





すぐに役立つ道路・境界の法律とトラブル解決マニュアル
すぐに役立つ道路・境界の法律とトラブル解決マニュアル
梅原 ゆかり


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その晩、くうさんから報告を受けたはつさんから電話がかかってきた。

「本日はいろいろと、ありがとうございました」

やはり、見学者の感触はいいらしい。
彼らの気持ちが新築物件よりも我が家の方に傾いているのは、確かなようだ。

「よい結果がご報告できるよう、頑張ります」

不動産屋としては、見学者に早めに決めてもらわないと、チラシ発行の都合もあるだろう。
それにくうさんがおっしゃるように、「鉄は熱いうちに鍛えよ」である。

押すんだろうなぁ。

それから数日は、何だか上の空だった。
どうなるんだろう、本当に売れるのか。今回はダメなのか。

月曜、火曜と2日経過。
「もう少しお待ち下さい」という途中経過が、はつさんから入る。

水曜日は、不動産屋の定休日。

ここで決まらなくても、焦る必要はない。次のチャンスを待てばよいのだ。
マンション完成まで、まだ半年あるのだから。

だけど同じ売却するなら、やっぱり我が家をかわいがってくれる人に買ってもらいたい。
きっとあの夫婦なら、この家で明るい家庭を築いてくれる。子供ができたら、賑やかになるだろう。

家族の諍いや対立が多かったこの土地、この家に、暖かい家族の息吹を与えてやってほしい。
できれば、あの人たちに買ってほしいな。

どきどき、じりじりした気持ちを抱き続ける。

そして、2006年11月9日 木曜日。

ついに、電話のベルが鳴った。

「見学者の方からお返事がありました。購入されるそうです」

一瞬呆然となった私。

「ただし、値引き依頼が入りましたんで、100万円だけ値引きしました」

我に返る私。

「あ、ありがとうございました」
「購入者様のローン審査がありますが、大丈夫でしょう。まず問題なく通ると思います」
「そうですか」
「それで、売買契約の締結を、今度の日曜日にさせていただきたいのですが、ご都合はいかがでしょう?」

え、もう契約締結、ですか?

聞いてみると、平日はお仕事をされているご主人の都合優先ということなのだが、あまりにも展開が早すぎる。
気持ちの整理がつかないまま、話は進んでいく。

「日曜日ですか? 夕方でしたら大丈夫です」
「それでは、日曜日の夕方6時に、当社にご足労願えますか」
「はい、わかりました」
「それから、両隣との境界線について、書面にしておく必要がありますので、契約までに両隣の家の方とお話ししたいのですが。今度の土曜日あたりはいかがでしょうか?」
「お隣のご予定もあるでしょうから、一度お聞きしてみます。OKかどうかは、またご連絡します」
「お手数をおかけしますが、よろしくお願いします」

電話を切った後、再度呆然。

売れちゃったよ。そんでもって、3日後には売買契約締結だって。
マンションへの転居が、ほぼ決定しちゃったよ。

100万値引きということは、決定金額は2,380万円。
スタート価格設定といい、ネゴ代(値引幅)設定といい、不動産屋の戦略がズバリ的中。さすがである。

アドバイザーのなおさんにも、ご報告した。

「おめでとう。よかったなぁ。いよいよ来年はマンションかぁ」

自分のことのように喜んで下さるなおさんの声を聞きながら、新しい暮らしが始まるという喜びよりも、とうとうこの場所から離れることになったという寂しさが勝っているような、奇妙な気持ちを抱いていた。

風は、マンション移住に向けて、止むことなく確実に吹き続けているようだった。





おそらく、海からの風―片山一行詩集
おそらく、海からの風―片山一行詩集
片山 一行


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「さぁ、決めましょう」というくうさんの言葉にびっくりしたのは、見学者よりも私。
声には出さなかったが、「え、もう?」の感は否めなかった。

見学者のHさんご夫妻は、そういうセールストークに慣れておられるのか、くうさんの言葉を適当にいなしながら帰られた。
なんだかんだで、1時間近く滞在されたんじゃないだろうか。

緊張した。むちゃくちゃ緊張した。やけに無駄にしゃべっていたような気がする。喉がからからになった。
でも、滑り出しは順調。ひやかし客ではなさそうだったことに、安堵感。

昼下がり、父が暮らす施設に行った。
父は、施設前に設置されたベンチでひなたぼっこしてくつろいでいた。
天気もよく暖かかったので、そのまま私もベンチに座り、父としゃべっていると、携帯が鳴り出した。

はつさんからだった。

「午前中はお時間を取って頂きまして、ありがとうございました。それで、お願いがございまして」
「何ですか?」
「午前中に見学されたお客様が、中をもう一度見たいとおっしゃってまして」
「えっ? もう一度、ですか?」

はつさんの言葉にびっくりして、思わず大きな声を出してしまった私。
だけど、1日に2回も見学希望されるなんて、超優良見込み客。断る理由はない。

「見学は結構なんですけど、今外出中なんです」
「何時頃、お宅にお戻りですか?」
「そうですね・・・5時半までには帰れると思います。だけど、外が暗くなっちゃうんで、見学、大丈夫ですかね?」
「大丈夫ですよ。じゃぁ、5時半頃に訪問して頂くよう、お客様に連絡しておきますね。午前中におうかがいした、うちの営業マンもご一緒させていただきますので」

予想外の展開の早さに、ついていけない。ぼんやりしてしまう。

この日の時点では、既に見学者が来ていることは、父にはまだ内緒。
「家、売れたんか?」とまとわりつく父に、「まだまだ。八百屋でかぼちゃとか白菜買うんとちゃうからな」と答え、5時半までに帰宅できるよう、施設を出る。

5時半頃、見学部隊がこの日2度目の来訪。
くうさんは担当の新築物件の現場から、ご夫妻は自宅から仲良く自転車で来られた。

「すみません、1日に2回も押しかけて」と謝りつつ上がって来られた見学者ご夫妻は、家の中の再チェックはもちろんだが、周辺の夜の雰囲気や環境を確認するのが目的だったようだ。

「ここらへんは、静かでいいですね」
「一時期、近所によく鳴く犬がいて、大変だったんですよ。真夜中にきゃんきゃん吠えて。でももう今はいませんから、大丈夫です。夜は昼間より、もっと静かですよ」

場合によっては、外構周りの工事が必要になる場合もあるので当然なのだが、駐車スペースも念入りにチェックされていた。
お持ちの車は、2人乗りタイプの軽自動車らしいので、問題なさそうとの結論だった。

見学会終了間際、くうさんは再度「さぁ、そろそろ決めましょう」と声掛け。

押すなぁ。

ご夫婦が帰られた後、くうさんと少し立ち話。

「こういうことは、最初が肝心なんですよ。勢いのあるうちに押さないと、契約にはなりません。もし最初の見学者で決まらないと、その後なかなか決まらないものなんです」
「へ〜、そんなもんなんですか」
「ですから、今日ご無理を聞いていただけて、よかったです。いい結果が出せるように、こちらも頑張ります。でも、プラスに出ると思いますよ」

そして、「今日は本当にありがとうございました」と言いつつ、くうさんは粗品のタオルとボールペンを置いて帰られた。

見学者から何らかの返事が届くのは、数日中とのこと。

さぁ、どうなるのだろう。





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高城 幸司

 

JUGEMテーマ:マンション購入記

 

 

 

チラシ掲載2週目。2006年11月5日 日曜日 大安吉日。

朝、はつさんから電話がかかってきた。

「ご近所の新築物件を見学に来られたお客様が、そちらも見学したいとおっしゃってます。ご都合はいかがですか?」

早くも見学希望者が登場!
それも、例の比較物件を見に来られた方だという。

「はい、大丈夫です。どうぞ来てもらって下さい」
「私は今日、申し訳ないんですがご一緒できないんですよ。代わりに、新築物件の方を担当してます者が、お客様と一緒にお伺いしますんで」

もしもし、新築物件の店番(!)は大丈夫なのかい?

心の中でそう突っ込みながらも、「わかりました」と言って、電話を切る。

正直、こんなに早く見学希望者が登場するなど、思いもしなかった。
壁紙に出現している糊の跡の拭き掃除も、何もできてない。

不動産屋さんから頂いた査定報告書には、「早期ご売却のためのご提案」という書面が、一緒に綴じられていた。
その中に「きれいなお部屋の方が好印象を与え、成約しやすい傾向にあります」との文言があった。

早期売却のための提案

そのポイントとして記載されていたのは、すべての照明をつけて明るさを演出すること、音楽などを流すことでリラックスできる空間も演出すること、キッチン・洗面・浴室の清潔感を出すこと、などであった。

そこで、家中の電気を付けたり、テレビのチャンネルを音楽番組に合わせたり、不要な物を戸棚に放り込んだり、台所の洗い物を済ませたりと、その時点で出来うる片付けを済ませ、できる限りすっきりした印象を与えるよう準備し、見学者の到着を待った。

しばらくして、見学部隊が到着。
希望者は、20代後半から30代前半ではないかと思われる、Hさんご夫婦。
隣町の賃貸マンションにお住まいで、お子さんはおられないそうだ。
見学希望者をお連れ下さったのは、はつさんと同じ事務所にお勤めの、くうさんである。

さっそく、家の中を案内して回る。
くうさんは、年齢的にもキャリア的にも、はつさんよりもかなり先輩であろう。
我が家には初めての訪問なのに、とまどいも何もない。
ご自分が担当されている新築物件と比較しながら、見事な説明を展開される。

「ここです、ここ。こういう造作は、そこらへんの工務店ではできません。このへんが、大手ハウスメーカーのいい所なんですよ。こういうの、さっきの家にはなかったでしょう?」

「階段に溝があるでしょう。これは滑り止めです。これは素晴らしいです。なかなかこういう家、ありませんよ」

壁紙の糊の跡を見て不安げな表情を見せる見学者に、「私がずぼらしてるだけなんです。これ、水拭きしたらすぐ取れますよ」と言う私に、くうさんは笑顔でうなずいてくれていた。
そのくうさんの様子に、ものすごく安心感を抱いた私。

空調やカーテン・ロールスクリーンなどは、このまま残していく旨も説明。
くうさんがそれを受け、

「カーテン、残していかれるんですか? ちょっともったいないんじゃ?」
「いえ、持って行ってもサイズが合いませんから」

些細なやりとりだけど、これって見学者にお得感を演出することにつながるんじゃないかな、って思った。
くうさん、さすがである。

3階では、どの方向にも視界を遮るような建物がないことを、くうさんが盛んにPR。
私は、北側の部屋でも昼間は照明不要なほどの、その日当たりの良さをPR。

「ただ難点は、風向きによっては、お菓子工場から甘いチョコレートのにおいがしてくることですね」
「あ、そのにおい、うちの近所でもしますよ」

そしてご夫婦は、口を揃えておっしゃった。

「ここ、本当に静かですね〜」

私にはこのセリフの意味がよくわからなかったのだが、後に実感することになる。

心配していた駐車スペースに関しても、「たぶん大丈夫」とのことだった。

Hさん夫婦は、非常に積極的だった。
不便な所は現状の暮らしの中でどういう対処をしているかなど、突っ込んだ質問もされるので、私も包み隠さずに情報を提供する。

またくうさんに対しても、「こういう造りにはできないのか」など、具体的な希望や疑問を、どんどんぶつけられる。
それに対してくうさんは、的確な回答をよどみなくされる。

初めて見る物件について、ここまできちんと説明されるとは。
仕事を離れてもいろいろな設備や家を見ていると、説明の中でおっしゃっていたが、さすがプロである。

しかし、はつさんといい、くうさんといい、物腰が柔らかくて丁寧なこと。
声は荒げず、非常に穏やか。腰の低さは天下一品。
この、客を警戒させない人当たりのよさを身につけるまで、どれだけ苦労し、どれだけつらい思いをされたんだろうなぁ。

不動産屋さんの営業マンって、すぐに売れっ子ホストになれそう。

一通り見学を終えたHさん夫婦に、くうさんはずばりおっしゃった。

「さぁ、決めましょう」






安全・安心な家がほしい!―注文でも、建て売りでもOK!業者にだまされない営業にのせられない
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鈴木 宏行


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