マンションの売買契約締結後の、最初の週末。2006年10月28日 土曜日。
はつさんが、必要書類への印鑑を取りに、我が家に来られた。

「今週末の新聞折り込みチラシに掲載しました」

はつさんはそう言いつつ、原稿を見せて下さった。
チラシ原稿には、「南向きのため、日照良好」「駅近物件」「2駅利用可能」などという文字が躍っていた。
「室内ていねいにお使いです」という文面は、うれしかったな。

よく見ると、私でさえ忘れていた建物名「ミサワホームの注文建築 GENIUS都市物語」まで記載されていてびっくり。
これも売りになるのか、と感心。

「ありがとうございます。でもなぜか、うちの新聞には折り込まれてなかったんですよね・・・」
「え? おかしいですね・・・。でも間違いなく、今週入ってますからね」

店舗の方でも、我が家は「強力プッシュ案件」扱いとなっていて、来店されたお客様に積極的にPRして下さっているようだった。

チラシ掲載後すぐ、向かいの家のおばちゃんから声を掛けられた。

「ひーちゃん、家、売るの?」
「はあ、まぁ、売れるかどうかはわかりませんけど・・・」

誰にも何も言ってないのに知っておられるということは、家を建て替えたばかりなのに、未だに不動産のチラシを見ているんだな、と思いつつ答えると、

「この間、家を外から見たはる人、いてはったよ」
「え? ほんまですか?」

何を聞かれたのかわからないが、見学者の方から声を掛けられたそうで。

この「外から見ている」という情報は、後に隣家の若奥さんからも聞かされた。
チラシ効果に驚くとともに、自分の足で積極的に物件を見て回っている人がたくさんいるのだ、ということを改めて思い知らされた。

一番びっくりしたのは、突然インターホン越しに「家の中を見せてほしい」という依頼を受けた時。
名前は名乗られなかったし、会って対応もしなかったので顔はわからないが、男性だった。

見知らぬ方に家を見せるのは嫌だし、何よりも私は不動産屋さんと専任媒介契約を締結している。購入希望者と直接やりとりするのは、ルール違反になる。
だから、「不動産屋さんの担当者に直接連絡してほしい」と申し上げて、お断りした。

翌週末、やっと実際にチラシで我が家を確認することができた。
そのチラシには、例の「比較新築物件」も掲載されていた。

全国の不動産物件は、業者向けのデータベースに登録されている。
不動産業者なら、インターネットを通じて誰でも物件を閲覧することができる。言い換えれば、自社所有の不動産物件以外の情報も、簡単に手に入れることができるというわけだ。

チラシ内に細かい字でたくさん情報を掲載している業者は、この仕組みを利用して広告しているのだ。
違う不動産会社のチラシに同一物件が掲載されるのも、同じ理屈。

だから、私が専任媒介契約を締結した不動産屋さんとは全く別の業者の広告に、自社の「撒き餌」物件として我が家が掲載されていた。それも複数。

はつさんからは、時々連絡を頂き、「チラシを見た方からの問い合わせはあるものの、『行きたい、見たい』という積極的なアプローチがないんです」という報告を受けていた。
私自身も、そんなに早く決まるわけがないと思っていた。売れるだろうか、という緊張感はあったけれど、のんびり構えていた。

ところが、である。





折込チラシの絶対法則―消費者ニーズに合わせた販売戦略100事例
折込チラシの絶対法則―消費者ニーズに合わせた販売戦略100事例
堀内 敬一


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売買契約に関する書類が、ふじさんの手によってわさわさと運ばれてきた。
私は指示されるまま、それに順番にサインしていく。

実印が必要な箇所は、後日我が家まで取りに来て下さるということになった。
内金は、週明けに振り込む約束をした。

それにしても、収入印紙の金額って本当に尋常ではない。
書類全てにぺたぺたと貼られる印紙。契約書などは、10,000円以上だ。
ふじさんも私も、「ほんまに何でしょうね、これ」と、ぼやくぼやく。

契約書以外にもいろいろとサインしたが、私にとって一番大事なのは、「買換契約の特例」という覚書へのサイン。
これは、戸建てが売れなければマンションの売買契約を解除、支払い済みの金額を返却してもらえる、というものだ。

さて、どのタイプの部屋を押さえようか。

間取りプランは数種類あるが、私はモデルルームに採用されていた「Aタイプ」が気に入っていた。


Aタイプ


どこが気に入っていたかといえば、キッチンの後ろに引き戸があり、そのまま洗面所に行けるという導線。家の中での無駄な動きは、ストレスにつながる。
それに、ベランダに面した窓もでっかいし。

以前、導線の好みについてふじさんにお話した時、「導線という意味では、こっちの方がいいと思いますよ」と教えて下さったのが、「Bタイプ」。


Bタイプ


間取り図をじっくり見比べ、このマンションを買うなら、絶対Bタイプの部屋をゲットするぞと決めていた。

決め手1。洗面所・キッチンからベランダへと延びる、無駄のない導線。

キッチンと洗面所の間には引き戸があるので、移動が楽。
洗濯物をベランダに干す時にも便利。
対面キッチンプランではないが、子供がいるわけでもないから別にこだわらない。

決め手その2。まっすぐな廊下。

基本、曲がった廊下が好きではない私。
玄関からリビングまで一直線なので、ものすごく風通しがよさそう。

決め手その3。他の部屋とちょっと違う仕様。

まず、キッチンに搭載されたベランダへ出られる勝手口。リビングダイニングの窓が狭くなってしまうのだが、なかなか便利そう。

あと、トランクルームがベランダではなく、玄関横にあるのも気に入った。
でっかくて土の付いたような物を収納したい時に、わざわざ部屋の中を通過させる必要がないから、実際的。

Bタイプの部屋は、高価な角部屋ではないが、エレベーターや非常階段の真ん前でもない。配置的にも悪くない。

じゃぁ、どの階を選ぼうか。

このマンションは、階毎に部屋の内装カラーが違う。
奇数階はコンフォート・ベーシック、偶数階はピュア・ホワイト。
ピュア・ホワイトのプランは、各部屋の扉が白い。コンフォート・ベーシックは木目調。

部屋の中のクロゼットの扉は、全て白だ。ということは、ピュア・ホワイトのプランを選択すると、部屋全体が白いイメージになる。どうもそれは気が進まない。
なおかつ木目調が好きな私。

奇数階に決定。

戸建てが売れなきゃ、マンションは買えない。それなら思い切って、上層階を押さえておいてもいいわけだ。
壁には、部屋の一覧が掲示されている。成約済みの部屋には、お花が貼ってあった。見ると、7階と9階は花がない。

このマンションは10階建て。だから奇数階の最上階は、9階ということになる。

「あの、9階は・・・」
「あ、すみません。既に成約になってるんですよ」

ということで、7階を押さえることにした。

一通り書類を書き終えて、一息ついていると、

「これから重要事項説明をしてしまっていいですか?」とおっしゃるふじさん。
手には、かなり厚みのある「重要事項説明書」を持っておられる。
全部終了するまで、2〜3時間かかるとのこと。

「ひえー」っと悲鳴を上げてしまったが、不動産屋さんの義務でもあるので、これを省略することは許されない。
どうせ説明を受けなければならないのなら、日を改めるのは面倒だ。

「聞いて帰ります・・・」

そして、ふじさんからの説明を拝聴した。
眠いし、しんどいし、肩が凝るし。

全ての手続きを終了し、ふじさんに見送られながら外に出ると、既に日は暮れていた。
帰り道、何度もつぶやいてしまった。

「買っちゃったよ」

自分の直感だけで、ここまで来てしまった。もう引き返せない。
でもまさか、モデルルーム見学の1ヶ月後に契約してしまうなんて。

だがこの即決が、さらに幸運の風を起こすことになる。





望ましい重要事項説明のポイント 3訂版―トラブルを避けるために!!
望ましい重要事項説明のポイント 3訂版―トラブルを避けるために!!


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2006年10月26日 木曜日。午後1時過ぎ。
マンションギャラリーの接客コーナーで、ふじさんとはつさんの二人と向かい合った。

はつさんはおもむろに、レポートメーカーで製本された「不動産査定報告書」を鞄から出し、私の方に提示された。

報告書を見ながらの、はつさんの説明が始まる。

いったい、どのくらいの査定額なんだろう?

数ページ目に、「相場の最低期待値」として、我が家の査定価格が赤字で記載されていた。

その額、2,163万円。

心の中で、「よっしゃあ!」という雄叫びを上げてしまった。
まあまあの高値だよ。これで何とか親に顔向けができるよ。よかったよ。

実際の売り出し価格は、高額での取引を目指すため、査定額よりさらに高めの2,480万円からスタートしたい、とのお話だった。
はつさん曰く「2,500万円を超えてしまうと、割高感が強まる可能性がある」とのこと。

査定額と売り出し価格の差は、いわゆるネゴ代。
特に関西圏では買い手側から値引依頼が入ることが多いため、幅をもたせて売り出し価格を設定するのだそうだ。

ちなみに、前回おっしゃっていた比較物件(新築)の価格は、約2,600万円。
土地面積がうちより更に狭いとはいえ、私の中では勝利である。

ボーダーラインとして設定していた2,000万円を、越えてしまった。
それどころか、「一目惚れマンションの上層階」が狙える査定額が出てしまった。
あくまで、スタート価格で売れれば、の話ではあるが。

はつさんからの説明が終わると、お2人からユニゾンのように「どうされますか?」という問いかけがあった。

マンションを売りたい、ふじさん。
我が家を売却して成約手数料をゲットしたい、はつさん。
お2人の目は、期待できらきら、うるうる。

正直、ボーダーラインをもし越えたら、思い切ってマンションを購入しようと考えてはいたけれど。
査定額を聞いて、雄叫びを上げてはいたけれど。

不動産の売却は、いつか必ず私がしなければならないこと。だけど、こんなに早いタイミングで、親が購入した不動産を手放してもいいのか。
父はまだ健在なのに。

でも、父が遊びに帰ってきても、家の中を自由にくまなく回ることはできない。それならマンションに移動して、時々遊びに帰ってきてもらう方が、父のためではないのか。
それに、私自身もこういう3階建ての家には、いずれ住めなくなる。

引っ越しを含めた不動産売却につきまとう煩雑な作業だって、年齢が上がるにしたがって面倒になるものだ。
大切に守ってきた不動産を、いい状態のまま売却した方が得策に決まっている。

様々な思いが、頭の中をぐるぐる巡る。そしてお2人の前で、うんうんうなる私。

数十分後。

私は、「買います」と返事をしていた。

「ありがとうございます!」という、お2人の再度のユニゾン。

セールストークだとは思う。
でも、「予算の都合がつくなら、迷われる理由は何もありません。売るのも買うのも、タイミング的に非常にいい時期だと思いますよ」というお二人の言葉が、迷いに迷っていた私の背中をぽんと押してくれたのは確かだった。

私の「買います」コールを聞いたはつさん、その場でぴょんと飛び上がった。

「今でしたら、今週末のチラシにまだ間に合うので、これから急いで準備しますね」

私が専任媒介契約書にサインを済ませた後、はつさんはそう言い残して、マンションギャラリーを飛び出していかれた。

はつさんが帰られた後、ふじさんはこうおっしゃった。

「彼なら大丈夫ですよ。彼は僕を知らなかったと思いますが、僕は彼を知っていました。彼は(優秀な営業成績で)何度も表彰台に乗った男です。絶対成約になります。安心して下さい」

そして、ふじさんとのマンション売買契約手続きが始まった。





コクヨ レポートメーカー A4縦 (青5冊入り) セホ-50B
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はつさんは、こう切り出された。

「中を見せて頂いて、大変きれいにお使いだということが、よくわかりました。いい査定結果をご提示できるよう、頑張ります」

タイミングのよいことに、同じ町内ではつさんの不動産会社が扱っている新築物件が販売中とのことで、それを比較対象にしてみるともおっしゃっていた。

その物件の間取り図なども見せて頂いたが、我が家とほぼ同じような感じだった。
3階建てというのも同じ。

査定結果は、1週間後ぐらいには提示できるとのこと。
準備ができたら連絡します、との言葉を残し、お2人は帰られた。

さぁ、どんな結果になるんだろう。

査定結果を待っている期間に、改めて我が家の懐具合をチェック。
ざっくり計算してみた結果、「一目惚れ」マンションを購入するには、2,000万円がボーダーラインになりそうだ。

2,000万円なら、低層階になるだろうが、何とか購入できるだろう。
2千数百万円なら、私の野望である高層階に手が届く。

しかし1,000万円台だったら、私の条件に合うようなマンション購入は無理だ。
それよりも、駅近の人気地区・築8年という条件で1,000万円台なら、上物の価値が下がっていく数年後には、さらに査定額が下がるということ。

私のマンション住み替え計画は、根本から考え直さないといけなくなる。
えらいことだ。

査定日の一連の出来事は、一応アドバイザーのなおさんにも報告した。

「ひーちゃんの言うように、2,000万円台なんて値段、ほんまに付くか〜?」
「そやけど、うちは結構いいと思うんですけどね。駅近やし。それにあんまりな値段やったら、親に顔向けできません・・・。」
「まぁ、確かにええとこにあるしなぁ。ハウスメーカーの家やから、人気もあるやろうし。そやけど、駐車場が小さいんやろ? それが痛いなぁ」

そう、私もそれがちょっと心配なのだ。

「不動産屋さんが言ってた『比較物件』を見て来たんですけどね・・・」
「どやったん? 中に入ったん?」
「いえ、外観を見ただけですけど。うちの勝ちですね」
「何それ? 相手は新築やろ」
「そうですけど、外観がちょっと安普請なんですよ。それにうちより駅に遠いし、すぐ近くに私鉄の線路があって、ちょっとうるさいんです」

それでもなおさんは、疑わしい声を出す。

「うちの実家も駅近やけど、そんな値段はつかへんなぁ」
「なおさんの実家って、滋賀県のちっちゃい地方都市ですやん。うちは大阪の人気地区。一緒にせんとって下さいよ」
「どうせうちは田舎や。ほっといて」

そんな軽口の応酬をしながらも、なおさんはずばり私に聞く。

「で、もしひーちゃんの希望通りの査定額やったら、マンション買うん? 何らかの答えを決めとかんとあかんで」

なおさんの言う通り、我が家の査定結果を聞くということは、マンションを購入するかどうかの結論を、ふじさんから迫られるということでもあるのだ。

我が家に買い手が付くかどうかなんて、全くわからない。そもそも買い手がいなければ、マンション購入はできない。
先にも書いた通り、私は住宅ローンが組めないのだから。

でももし査定額が満足のいく金額で、もしその額で買い手がついてしまったら、両親が購入した不動産を売却しなければならなくなる。
ここまでは私の独断で話を進めていたが、施設に住む父にも打ち明けざるを得なくなる。
そもそも土地は、父名義になっているし。

本当にいいのだろうか。
この私が、私だけで決めてしまって、本当によいのだろうか。

自分で決めて査定してもらったのに、悩みに悩んだ。

査定日から数日後、はつさんから電話がかかってきた。
ふじさんのいるマンションギャラリーで、13時にお会いすることになった。

査定額発表当日。
この日は私の生涯の中でも、とても大事な日になるかもしれない。
何があるかわからないけど、自分の直感を信じよう。

悩みは尽きないまま、そんな気持ちで、約1ヶ月ぶりにマンションギャラリーへと向かった。





資産査定2級検定試験模擬問題集 2008年版 (2008)
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「一目惚れ物件」のモデルルーム担当のふじさんに、我が家の査定を電話でお願いした数日後。
彼は系列会社の不動産会社の担当社員であるはつさん(仮名)と共に、我が家にやってきた。

たぶんまだ20代であろうと思われるはつさんは、やたら腰が低く、やたら丁寧な言葉遣いでお話される方だった。
簡単な挨拶を交わした後、早速我が家のPR開始。

父と母が苦労して手に入れた、立地条件抜群の土地。建て替え前はもちろん建て替え後も、ずっと大切に守ってきた家。
両親と私の思い出が詰まった、大事な大事な場所である。

マンションのことは別にして、少しでも好印象を持ってもらい、はつさんから高評価をゲットしたい。
そんな思いを胸に、説明をしながら家中を案内して回った。

建て替えたのは平成10年9月。当時で、築8年ほど経過していた。
建築は、ミサワホーム。地元工務店よりも割高ではあったが、デザインはやや無骨ながらも、しっかりした造りの家であるという評判を聞き、後々の保証などのことも考えてお願いしたものだ。

土地自体は狭く、20坪もない。
また、後々の隣地境界トラブルを避けるため、建て替え前と同じ位置に建設したため、3階建てにして部屋数を確保したのだ。

(外観や部屋の写真を公開すればわかりやすいのですが、既にもう違う方がお住まいですので、何とぞご容赦下さい。)


玄関前には駐車場を作ってはいるが、狭い。軽自動車が何とか置けるくらいのスペースだ。流行の四駆などはでかすぎて、絶対置けない。
これが我が家のウィークポイントのひとつだ。

玄関には、天井までの高さがある、作り付けの木目調の靴箱。三和土も広い。

「大きいですねぇ。ものすごい量の靴が入りますね」
「そんなに靴がないんで、植木の道具とかも入ってます」

そう、我が家のポイントは、収納スペースの多さだ。
それと、統一感の取れた色合い。

1階は6畳和室。雨戸は、手動シャッター。

「仏間があるんですね」
「はい。これも扉が付いていて、閉められるようになってます」
「ほお」
「ここでよくお線香を焚くんです。そのにおいは気になりませんか?」
「ならない、ならない、ならない。そんなの全く問題ないですよ」

和室の奥には、トイレと洗面所とお風呂。廊下には物入れ。

階段にもチェックが入る。

「この階段、滑り止めが付いてるんですね。これはいいですね」

2階はリビングダイニング。キッチンは対面ではなく、ごくごく普通の造り。

「キッチン、明るいですね」
「はい。最初の設計段階では、窓がなかったんです。でも窓がなかったら、北向きなんで暗くなってしまうからって、作ってもらいました。あと、冷蔵庫の背中がリビングから見えないようにするために、冷蔵庫を置く所は天井まで壁を作ってもらいました」
「あ、ほんまですね。こりゃぁ、いいなぁ」

キッチンとリビングの間には、天井までの高さがある、作り付けの木目調の食器棚。

「これも大きいですねぇ」
「そうなんです。入れる食器がなくて、すかすかですけど」

リビングは南向き。窓も非常に大きい。南側の窓のみ、手動シャッター方式の雨戸が付いている。

「窓も大きく取ってありますね」
「夏は暑すぎるくらいです。洗濯物もよく乾きます」

テレビ台も作り付け。もちろん、木目調。
上側には引き戸の付いた物入れが完備。

「たくさん物が入りそうですね」
「そうですね。十分すぎるくらいです。実は、食器棚もテレビ台も、建て替え時に購入する必要があったんです。でもどうせ建て替えるなら、統一感のある作り付けの家具にしてもらった方がいいと思って、こうなっちゃいました」

2階廊下には、トイレもある。

3階は、6畳の洋室が2部屋。各部屋にウォークインクロゼット完備。
廊下には、収納力十分な押し入れも完備。

加えて、通信インフラも万全である。
テレビアンテナのメンテナンスが面倒という理由で、建て替え当時からケーブルテレビを採用。
また、Bフレッツも完備。ひかり電話や光回線でのインターネットも可能。

不動産屋相手に、かなり自慢モードを炸裂させた私。

ちなみに、なぜこんなに収納スペースを多く作ったかというと、建て替え前の荷物の多さがすさまじかったから。

戦前生まれの母は、物を捨てるのが大嫌い。とにかく何でも残しておく人だった。
使える物も使えない物も、食べられる物も賞味期限がとっくに過ぎた物も、何もかも一緒くたに保存されていたのだ。

私のためにと置いておいてくれたのだが、結局それらの9割以上を廃棄処分する羽目に陥った時は、どれだけ悲しかったか。つらかったか。
「物は使ってこそ生きる」ということを実感した出来事だった。

収納スペースを十分取ったおかげで、収納に関しての悩みは皆無。
使わない物を出しっぱなしにするということもなくなったし、必要以上に物を増やさないよう心がけるようになった。

隅々まで見学されたお二人からは、「きれいですね〜」とお褒めの言葉を頂いた。
経年劣化は見られるものの、ひとり暮らし・ペット不在・喫煙者なしという環境なので、築8年にしては状態が非常にいいらしい。

PRタイム終了後、1階和室でお二人と向かい合った。





ガラクタ捨てれば自分が見える―風水整理術入門 (小学館文庫)
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カレン・キングストン,田村 明子


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「モデルルーム見学ツアー」終了後。
2箇所で頂いたパンフレットや資料に、暇さえあれば目を通す日々が続いた。

もっと他のモデルルームに見学に行こうと思ったこともある。
ただ、どのマンションも設備的な面ではほぼ一緒だ。それに、見れば見るほど迷いも生じる。
その結果、自分の目や感覚がブレてしまうのでは、という恐れを感じていた。

モデルルームツアー終了後、逡巡している私に、なおさんはこうアドバイスしてくれた。

「ひーちゃんにとって何が一番大事か、よう考えや。住宅街で、静かで、学校も近くて、今日見たとこは確かに環境のええとこやけど、それがひーちゃんにとって今、必要なことか? 駅からの距離も、お父さんとこへの距離も、前の(物件の)方が近いんやろ。それに、買った後の修繕積立金とかで、毎月必要になる費用のことも考えなあかんで」

そしてこんなことを話してくれた。

「実は会社に、モデルルーム見学が趣味の社員がおるねん。それで時々話を聞くけど、上からの音に関しては、二重床やから静かっていうわけでもないらしいで。太鼓の原理で、結構響くんやて。それに、配線とか配管をその二重床に仕込んでおくから、メンテナンスに便利やって言うてたけど、それが必要になる頻度がどのくらいか、っていう問題もあるな」

私にとって、一番大切にすべきことは何か。
購入後、必要経費のやりくりができるのか。

どちらの物件も、長所もあれば短所もある。一概に比較はできない。
ただ、私が大切にすべきことを実現できる可能性が高いのは、最初に見学した「一目惚れマンション」だと思うようになっていった。

実は、なおさんや両物件の営業マンから、「中古物件は考えていないのか」と聞かれていた。

いろいろ迷ったのだが、できるならば新築を狙おうと見学前から決心していた。
そもそものきっかけは、なおさんのLAN端子についての逸話。

新築物件にLAN端子が標準装備されるようになってから、たぶんまだ10年くらいだろう。
各部屋にLAN端子装備だなんて、ここ最近のことだ。

なおさんがお住まいのマンションは、築15年。当然LAN端子などない。あるのはケーブルネット用の端子がリビングに1個のみ。それでも建築当時は、画期的な設備だった。
だが1〜2年前、NTTがBフレッツの猛烈な売り込みをかけてきたこともあり、ひかり回線でのインターネット環境も整った。

しかし、Bフレッツを利用するためには、終端装置をはじめとした弁当箱くらいの大きさの機器が最低3個必要。
リビング以外でネットをするとなると、さらに無線LANの機器が必要。
そのうえ、その「弁当箱」それぞれに、でかいACアダプタ付属。

電話やファックスは、当然弁当箱の近くに置かなければならない。
機器類をリビング以外の別の場所に置こうとすると、部屋中に線を張り巡らさなければならない。

「電話1台置けるくらいの、作り付けのちっちゃいカウンターみたいなんがあるだけやで。どこにそんなぎょうさんの弁当箱を置くんやっていう話や。コンセントも1個しかあらへんのに、ACアダプタはでかすぎる。NTTとかいろんなとこから、しょっちゅう勧誘が来るけど、いっつもそう言うて怒ってるんや。早くオールインワンの機器を出せって」

そんなわけで、このマンション内でのBフレッツ使用者はゼロ。
マンション内の設備が、時代にマッチしていない典型だ。

Bフレッツクラスのネット環境を備えているマンションは、総じて築浅。
チラシチェックをしていると、私の条件に合った築浅中古物件が時々出現する。

ただ値段を見ると、新築物件と対して変わらない。変わったとしても数百万単位。
いくら築浅とはいえ、どれもきれいな物件とは限らない。多少は手直しが必要になってくる。その手直し料金を加えれば、新築とほぼ同額。

なんじゃそりゃ、である。

それに、新築物件の価格が底に来た感じもあった頃だった。
各モデルルームの営業マン2人が、口を揃えて言ったこと。

「新聞などでも報道されていますけど、これから建築されるマンションは、間違いなく値段が上がります」

なおさんも言う。

「今がちょうど、買い時かもしれへんなぁ。それに、耐震偽装の件もあったし、ここしばらくは業者も無茶でけへんやろしな。5年くらい経ったらわからへんけど」

そしてさらに、なおさんの痛烈な一言。

「戸建ては15年ほどで、上物の価値がなくなるで」

土地と建物を売却しない限り資金調達が不可能な私には、痛い現実である。

建て替えたのは平成10年9月。ちょうど8年が過ぎた頃だった。
あと10年もしないうちに、建物の価値がなくなってしまう。それなら、今現在の我が家の価値って、どんなものなんだろう。果たして本当に値段がつくのか。付くとしたら、どれくらいなのか。
それがわからなければ、資金計画も何もあったもんじゃない。

悩んでいても、何も進まない。何もわからない。
一度、我が家を査定してもらおう。その結果如何で、また考えよう。

さんざん悩んだあげく、「一目惚れ」物件の営業マンであるふじさんに連絡を取ったのは、モデルルーム見学ツアー終了の半月後くらいだった。





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モデルルームからの帰り道、なおさんに聞いてみた。

「今日の所、どうやと思います?」
「ええんとちゃう」
「何がええと思います?」
「機能的やし、普通や。何も奇をてらってないとこがええなぁ」

この時点での私の気持ち。

モデルルーム自体は、ものすごく気に入った。
この日見学した部屋のプランは、どちらかというとファミリー向けの間取りだったが、全体的に私好みだった。

私の母はとにかく物をためこむ癖があり、物に暮らしてもらうために心血を注ぐような人だった。
そのせいで、小さい家がさらに狭苦しくなり、部屋は薄暗くて昼間でも照明が必要だった。

今でも親戚・友人が、「昔の家は暗かった」と口を揃えて言うもん。

そのトラウマからか、私は物があふれかえっているような部屋は嫌いだ。
日当たりや風通しがよくて、部屋自体は狭くてもすっきりと動きやすいスペースのある部屋が好き。
物よりも人が主役になれる家、というのかなぁ。

ここのモデルルームは、明るくてくつろぎやすそうだし、部屋が広く見えた。ベランダも広かった。

駅からも徒歩圏内。ネットは光回線。駅前にはスーパーもある。
私の譲れない条件は、ばっちりクリアしている。

ただ気になったのは、やはりマンション南側を走る、貨物の高架線。
これがどのくらい圧迫感があるのか。
貨物列車が通過する音も気になる。

「それで、ひーちゃんはどうなん? 気に入ったん?」
「はい、行く前から気になってた所だったんですけど、今日見て、やっぱりええなぁって思いました」
「そうかぁ。一番気になるんは、貨物線やろうな。そやけど一番大事なんは、優先順位を何にするかやと思うわ」

優先順位?

「例えばあの環境、もし子連れやったらちょっと厳しいやん。学校とかも徒歩圏内らしいけど、車の通りも多いし。そやけど、ひーちゃんは基本、一人で住むわけやん。そんなこと、気にする必要ないやろ。もともと、お父さんとこに近い所で、っていう条件で探してるんやから」
「そうですね・・・」
「それにあの二重ガラス、ええで。あれやったら、外の音、ほとんど聞こえへんはずや。そんなに貨物の音、気にならへんかもしれへんな」
「ふーん・・・。でも貨物線とマンションと、どのくらいの距離感があるんでしょうね」
「それは、実際に住んでみんとわからへんわ。どの階に行けるか、今は全然見当もつかへんし」
「そうですね・・・」


第3弾。
前回見学に行った場所は、市中央部からはずれた場所だったが、今回の物件は市のど真ん中。閑静な住宅街。もと有名企業社宅跡。
ただ、徒歩圏内とはいえ、駅から少し離れている。

この時も、平日アポなし襲撃。やはりお客さんは、ほとんどいなかった。

接客コーナーに着席すると、壁には間取りプランや金額が掲示されていた。
立地条件がよいので予想はしていたけど、最低価格が3,200〜3,300万円。それも低層階の東向き。最高価格は、6,000万円クラスである。

この段階で、「ちょっと無理かも」モード突入。

それでも書類にせっせと住所と名前などを書いていると、営業マン登場。
私は、前回と同じようなセリフを繰り返す。

営業マンの説明が始まった。
まず建設場所の説明。地図を示しながら、住環境の良さをアピールしながら教えて下さる。
ネットで下調べしていた私、突っ込んでみる。

「駅から徒歩10分って書いてありますけど、絶対無理ですよね〜」
「・・・そうですね。駅からの直線距離で算出してますんで、実際歩かれると、もう少しかかりますね。ただ、もともと有名企業の社宅跡ですので、環境は非常にいいです。住宅街なんで静かですし」

念のために、ここでも住宅ローンのことを聞いてみると、やはり「無理でしょうね」という答えが返ってきた。しかし親切にも、フラット35の資料をネットで調べ、印刷して下さった。

どっちにしても、ローンは組めそうにないが。

接客コーナーの完成予想模型図を見ながら外観説明を受けた後、2階のモデルルームへ。

モデルルーム見学2度目ともなると、緊張感もだいぶ取れている。それに、比較対象もある。
割と落ち着いてきょろきょろすることができた。

設備自体は、前回訪問したマンションとそんなに変わらない。セキュリティなどへの取り組みも同じ。
こちらの物件の方が、廊下の幅が少し広い。また、梁の出っ張りが少ないように感じた。

視覚的に大きく違うのは、モデルルームの内部。
前回は自然光を取り入れた明るいイメージだったが、今回のモデルルームは、黒を基調としたインテリアでまとめられていた。

おしゃれだった。でも、現実感がない。
見学者にあこがれを抱かせるための仕掛けだとはわかっているが、こんな落ち着けない所に、実際住めるかっちゅうの。

営業マンはといえば、このマンションの売りである「二重床・二重天井」をさかんに宣伝していた。

下への騒音がかなり軽減できること。
配線や水回りのメンテナンスが容易になること。
「二重床・二重天井」というのは非常に画期的で、関東ではたくさん採用されている。だが関西では、当社以外のマンションではほとんど採用されていない。


二重床

二重天井

(注:上図は、こちらから拝借しました。見学したのが約2年近く前なので、細かい部分は違うかもしれませんが、理屈は同じです。また、上図を拝借したサイトで紹介されているマンションブランド名と、私が当時見学したマンションブランド名は同じです。つまり、施工会社が同じだということです)


正直、「二重床・二重天井」についての説明が、一番多かったのではないだろうか。

マンションの外観も部屋の内部も、前回訪問したマンションよりも高級感がありそうだ。閑静な住宅街に建設するのだから、まぁ当然だろう。
ネット環境も完璧。
ちょっと距離はあるが、駅から徒歩圏内。官庁街にも近い。
市の中心部なので、駅前に出れば買い物にも困らない。大手銀行の支店が軒を連ね、飲食店もたくさんある。
父の住む施設にも、居住中の戸建てよりもだいぶ近くなる。

条件的にはほぼ完璧だ。
住宅しか建設できない地域だから、貨物の高架線も、ビジネスホテルに見せかけたラブホテルも、存在し得ない。

だけど、なぜ心が動かないのか。

「何とかと煙は高い所が好き」ではないが、私は高い場所で風に吹かれてぼーっとするのが大好きだ。日当たりがよくて明るければ、最高。
だからマンションに移住するなら、低層階より上層階に行きたいという贅沢な野望も、密かに抱いていた。

だがここの価格帯は、私にその野望実現を許してくれそうになかった。
それに、管理費・メンテナンス費・駐車場代も、前回見学した物件よりもかなり高額。
心を高揚させてくれる役割を果たすはずのモデルルームも、私好みではないし。

きっと私はその時、気乗りしているようなしていないような、微妙な顔つきをしていたのだろう。
前回結構はしゃいでいた、アドバイザーのなおさんは、ここではあまり積極的な発言はしなかった。

マンションギャラリーから建設現場までは、徒歩移動できるような距離ではない。
営業マンから現場案内の勧誘は軽くあったが、「大体場所がわかりますから、帰りにでも行ってみます」みたいなことを言って、ご辞退したような記憶がある。

見学終了後、営業マンからの「是非、よしなに」とのセールストーク攻撃を浴びせられた後、この日のモデルルーム見学ツアーは終了。

同時に、予定した3箇所(実際見学したのは2箇所だけど)のモデルルーム訪問が、全て終了した。





住宅情報 2008年 08月号 [雑誌]
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建設現場へ徒歩で向かう道すがら、ふじさんに聞いてみた。

「あのう、今、私、戸建てに住んでるんです。抵当権とかも全然ついてないです。この家を担保に、銀行からお金借りることって、できますかね?」
「失礼ですが、お勤めされてるんですか?」
「いえ、いわゆるSOHOってやつなんで、会社勤務はしてないです」
「あぁ、そうなんですか。それなら、まず無理ですね」


一刀両断。


「え、今は担保があってもだめなんですか?」
「昔よりも銀行の審査が厳しくなりましてね。担保があるくらいじゃ、ダメなんですよ。借りる方に定期収入があるかどうかが、大きな鍵なんです。例えば、継続的にどこかの仕事をされているんだったら、そのお仕事先の方に証明して頂く、という手でも使えれば可能性はありますけど・・・」
「そんなの、無理ですね・・・」

定期収入なら、父の方が堅い。
2ヶ月に1度支給される、障害者年金。父が生きている間は、まず支給打ち切りになることはないだろう。

ということは、父名義で銀行からお金を借りる算段をした方が、まだ銀行の審査を通る確率は高いということだ。
なんてこったい。

だけど、新築マンションの所有者を、施設暮らしの父にしてどうするのかという話だ。
何よりも、父がローン返済途中で亡くなってしまったら、どうなるのか。

現場に到着するまでそんな話が続いたのだが、結局のところ、銀行は自営業にはなかなかお金を貸さない、というのが実情のようだ。
銀行も商売だから、もともと「必ず借金を返せる体力のある個人や法人しか相手にしない」のだが、その審査のハードルがさらに高くなっているということなのだ。

銀行にとって一番取りっぱぐれのない個人顧客が、サラリーマン。

勤務先の状況を調べられるので、審査も容易。
途中で踏み倒されることのないよう、銀行主導で「無理のない借金計画」を立案できる。

それに引き替え、自営業者は総じて収入が不安定。今月100万の収入があっても、来月同じだけの収入があるとは限らない。お金を用立てた瞬間に、店がなくなっているかもしれない。
銀行側にとっては、リスクが高いのだ。

こうして銀行に断られた自営業者は、やや金利の高い信用金庫や、もっと金利の高いサラ金などへと流れていく。


そう、私は銀行ローンが組めないのだ。


「戸建てを担保にしてお金を借りてマンションに引っ越し、戸建てを誰かに貸して、家賃収入をローン返済に回す」という夢は、はかない蜃気楼。

がっくりしたまま、現場に到着。

マンションはまだ鉄骨むき出し状態だったが、かなりの高さまで立ち上がっていた。現場では、たくさんのお兄さんやおっちゃんたちが、せっせと働いていた。

建物の中に入らせてもらうことはできなかったが、マンションギャラリーでのふじさんの説明、そして現場周りの状況を見て、駅近にもかかわらずなぜ比較的安価なのか、理由が予想できた。


理由1 都市計画法に基づく用途地域が「工業地域」であるため。

確かに、マンションから5分もかからない所に、有名企業の大きな工場がある。
また、マンション前の道路沿いには、撤去が決定しているとはいうものの、テナント兼倉庫が数軒建ち並んでいる。
それゆえ、マンション前の道路は非常に交通量が多い。マンション東側を走る幹線道路と高速道路は、予想よりもかなり近い印象だ。

確かに、「住居地域」ではない雰囲気だ。


理由2 マンション南側をJR貨物の高架線が走っているため。

マンションと高架線の距離は、60〜70mくらいといったところだろうか。
マンションから道路までの、少し長めの車路(アプローチ)を抜け、道路を渡って上を見上げたら高架線が走っている、という感じである。
だからよほどのことがない限り、マンション南側を遮るような高層建築物は建設されないだろう。

日当たりの良さは保証されたようなものだが、マンションの何階あたりが高架線の真っ正面なのか、圧迫感がどのくらのものかは、正直住んでみないとわからない。


理由3 マンション東側の方向にホテルがあるため。

マンションから約100mくらい離れた東側には、幹線道路と高速道路が南北に走っている。その向こう側に、「ビジネスホテル○○」というホテルが鎮座していたのだ。
しかしそのホテル名といい、外観といい、ちょっと地味めなラブホテルであることは、まず間違いない。


建設現場見学後、再度モデルルームに戻り、ふじさんからの「是非、よしなに」とのセールストーク攻撃を浴びせられた後、この日のモデルルーム見学ツアーは終了となった。





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加藤ひろゆき


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2006年9月の後半にさしかかる頃、私のモデルルーム訪問ツアーがスタート。

第1弾。
既に入居が始まり、売れ残りの数部屋を販売中のモデルルーム。

駅からは少し離れていて、私の希望からはちょっと外れるのだが、シックで落ち着いた外回りが何となくかっこいいなと感じ、見てみたいなと思ったのだ。

それにしても、ここのマンションに到着するまでの道が、細いこと。
複雑な一方通行も多い。

何とかマンション前に到着し、まず思ったこと。

「何か、思っていたのと、違う」

何が違うのか、自分でもさっぱりわからないのだが、とにかく違う。

これまた、直感

アポなし直撃訪問だったので、マンションの外から電話してみる。
だが担当者は、別物件を案内中で不在。
名前や連絡先を聞かれることもなく、積極的に売る気はなさそうな感じ。

この時点で、見学する気がなくなった。


第2弾。
例の「一目惚れ」物件のモデルルーム。

この時もアポなしだったが、「どうぞ、どうぞ」と歓迎された。
平日なので、お客さんもほとんどいない。

接客スペースに座り、正面の壁を見て、私は声を上げてしまった。


「安い!」


私の声がちょっと大きかったので、アドバイザーのなおさんに、「しっ!」とたしなめられたくらい。

実は私、ここの販売スタート価格は3,000万円前半くらいだろうなと予測していた。
だが壁に貼られた価格表には、2,000万円台の部屋があった。それも何部屋も。

私がスタート価格として予測していたラインが、価格帯の中心だったのだ。

何だかちょっとうれしくなってきて、手渡された書類にせっせと名前や住所を書いていると、営業担当者のふじさん(仮名)が登場。

「父親が住む施設に近いので、興味があって来ました」みたいなことを適当にしゃべった後、早速モデルルーム内を案内してもらう。

まずは、接客スペースにおかれた完成予想模型を見ながらの説明。

東向きプランが1つだけあるが、他は全て南向きプラン。
北側には池。池は市のもので、ここをつぶして何かが建設される、という予定は当面ない。
南側にも視界を遮るような建設物は建たない、というか、建てられない。
(その理由は、次回書きます)

駐車場は100%、自転車・バイク置場も当然完備。

マンション建設予定地の地主が複数いたため、土地の形がちょっと複雑。
その分、道路からマンションまでのアプローチがやや長いのが印象的。

マンション前の道沿いが再開発となり、戸建てが数軒建てられることが決まっている。
古びたテナントも撤去され、歩道も整備される予定。

そんな説明の後、2階のモデルルームへ。

3LDKのモデルルームを、一部屋ずつ見て回る。

印象的なのは、収納スペースの充実ぶり。
居住中の戸建ての家よりも少ないとはいえ、各部屋にはもちろん、廊下にも洗面所にも大きな収納スペースがある。もちろん、シューズボックスも完備。トランクルームもある。

LAN端子・電話などのコンセント系をひとつにまとめた「マルチメディアコンセント」も各部屋完備。

モデルルームは対面キッチンで、キッチンから直接洗面所に行くことができる、主婦の導線を重視したタイプ。食洗機は標準装備。

浴槽はたまご型。魔法瓶浴槽と呼ばれ、お湯がさめにくいんだそうである。
その後チェックした他の新築物件は、すべてこのタイプの浴槽を採用していた。

浴室にはカワック。サウナ機能も付いている。リビングには床暖房。

段差もほとんどない。
玄関と廊下の境目に少しあるが、車椅子でも問題なく越えられる高さだ。

バルコニーも広い。
水場(スロップシンク)も、物干し台も標準完備。

アドバイザーのなおさんといえば、私よりも興奮している。

「天井、高いなぁ」

私は天井の高さなどは全然気にしていなかったのだが、天井が低いとやや圧迫感を感じるという、なおさんならでは指摘だった。
彼が言うように、梁の入れ方などによっては天井が低いマンションがあるのだそうで、案内者のふじさんもその鋭い指摘にびっくりしておられた。

帰宅後にお礼のお電話を頂いた時、「今日ご一緒だった方は、不動産関連の方ですか?」って聞かれたくらい。

「二重ガラスやん!」

この二重ガラス、とにかく遮音性・遮熱性に優れているとのこと。
「冷暖房の効きが全然ちゃうで。それに外の音、全然聞こえへん」と、独自のうんちくを長々と聞かされた。

リビングは、明るく開放的な感じに仕上げられていた。
小物はさすがに凝っているが、全体的には現実的な仕上がりと言おうか、奇をてらった印象はなく、気楽にくつろげる感じのモデルルームだった。

そして、とにかく機能的なマンションだと思った。
それはなおさんも同意見で、「(前よりさらに)ようなってるなぁ」としきりに感心していた。

一通り見学させて頂き、再び階下に降りた時に、ふじさんがおっしゃった。

「お時間がよろしければ、建設現場に行ってみませんか? ここから歩いて10分ほどですし」

そこで、3人で建設現場へ徒歩で向かうことになった。





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チラシでの不動産チェックは、その後もずっと変わらず続けていたが、夏頃から次第にネットでも不動産のチェックをするようになった。

きっかけは、「Yahoo!不動産」
このコンテンツ内をうろうろするうちに、「住宅情報ナビ関西版」というサイトを発見した。

このサイト、ほしい物件は新築か中古か、戸建てかマンションか土地か、予算はいくらか、探している地域はどこか、といった様々な条件を選択すると、登録されている物件からフィルタリングして結果を一覧表示してくれる。なおかつこのサイトの情報は、関西限定。大阪在住の私にはうれしい。
他にも読み応えのある読み物も充実し、なかなか便利なサイトである。

その時点で確定していたことは、引っ越し先。
移住計画を立案したそもそものきっかけは、父が住む施設になるべく近づくということだったので、当時住んでいたT市、またはT市の隣の、父が住む施設があるI市のいずれかしか考えられなかった。

T市も結構広いので、場所によってはさらに施設まで遠くなってしまう。
I市もT市同様、非常に人気がある地域だ。特に人気のあるエリアは、やはり高額。

まさに「帯に短し、たすきに長し」だなぁと思いつつ、条件をいろいろ変えながら、検索していった。

それにしても、不動産関連のホームページの充実ぶりには、感心させられた。
日本全国の不動産情報がすぐに取得でき、大体の場所や間取り図・写真・連絡先まで記載してある。遠方に移住しなければならない人にとっては、どれだけ便利か。

新築物件なら、かなりの確率で専用ホームページが開設されている。
フラッシュを多用し、物件概要・間取り図・モデルルームの写真といった物件そのものの情報だけではなく、スーパーや病院・公共施設までの距離、グルメ情報、最寄りの学校への安全な通学ルートの解説などをはじめとした建設予定地の近隣情報、モデルルームスタッフのブログなど、様々な工夫が凝らされている。

不景気で不動産がなかなか売れなかったりで、PRに工夫が必要な時代なのだろうが、消費者にとっては便利な世の中になったものである。

定期的にネットでの検索作業を行うようになったある日、とある新築物件に目がとまった。

新築なので、ネット環境が充実。回線は光。各部屋にLAN端子完備。
マンション近くには幹線道路と高速道路があり、インターチェンジも近い。車での移動も便利。

そのマンションの最寄り駅は2駅。つまり2ウェイアクセス。
両方とも私鉄だが、駅と駅は歩道橋でつながっており、改札から改札まで30秒。

駅からマンションまでは、徒歩約10分。駅ビル内にはスーパーがあり、マンションからちょっと足を伸ばせば、大型スーパーもある。

父の住む施設は、駅を挟んでそのマンションのちょうど対角線上。マンションから施設まで徒歩15分くらい。
父と適度な距離感を保ちつつ、何か緊急事態が発生しても、すぐ駆けつけられる近さ。


たまご型浴槽だとか、カワックだとか、食洗機標準装備だとか、24時間換気システムだとか、そんなのは二の次。

私にとってこんな「ドンピシャ」な物件が存在するなんて。
そして、私の目にとまるなんて。


それまでにも、そこそこ条件の良い物件はあったし、「見学に行ってみようかなぁ」と思わせる物件もあった。
だけど、この物件は猛烈に気になった。はっきり言って、一目惚れに近かった。

販売価格もわからない。資金計画などまだ立案もしていなかった。

だけど。

今考えても、直感だったとしか言いようがないが、ネットでの初対面から2年近く経った今でも鮮明に覚えている。
私はここに引っ越すかもしれない、と思ったことを。

私はその物件のホームページを隅々までチェックした。
結局「第1回」のみで終了してしまったブログや、現地までの地図は何度見返したことか。

モデルルームは既にオープン、まもなく分譲開始で、翌年春に竣工予定とある。
でも販売価格はホームページには載っていない。モデルルームに行かないとわからない。

アドバイザーのなおさんから、「いったんモデルルームに行って名前を書いたら、いやっていうほど勧誘の電話とかDMが来るで」と言われていた。

でもこのモデルルームには、執拗な勧誘があったとしても、是非行ってみたい。
行って、自分の直感を確かめたい。

そこで、比較対象として他のモデルルームも何カ所か見学に行こうと思い立った。
とりあえずこの「一目惚れ」物件を含めた3箇所をピックアップし、なおさんに時間を取ってもらえないかとお願いした。
なおさんからは、「ええで」という快諾のお返事を頂いた。

お互いに土日は時間が取れないので、見学は平日。だから、1日1箇所限定。
不動産屋さんは水曜日が定休日なので、日程はさらに限られてくる。
でも特に急ぐという話でもないので、「行ける時にアポなしで突撃する」ことに決めた。

2006年9月頃のことである。





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